配分額 *注記 |
168,500千円 (直接経費: 168,500千円)
1999年度: 35,500千円 (直接経費: 35,500千円)
1998年度: 61,300千円 (直接経費: 61,300千円)
1997年度: 71,700千円 (直接経費: 71,700千円)
|
研究概要 |
電子物性制御班は、スピン制御された半導体超構造の電子物性、特に磁性・スピン物性と輸送特性を実験的・理論的に解明し、その制御と応用の可能性を明らかにすることを目的とした。以下に研究成果の概略を示す。 (1)(Ga,Mn)As,(In,Mn)As,(Ga,Mn)Sbなどの強磁性半導体とへテロ構造を低温成長分子線エピタキシで成長しその磁性と輸送特性を調べた。強磁性・非磁性半導体三層構造では、スピン依存散乱、層間結合、トンネル磁気抵抗が観測され、(Ga,Mn)Asエミッタの共鳴トンネルダイオードにおいて磁場なしの状態で強磁性転移に伴う電流のピークを観測した。また(Ga,Mn)Asを用いて強磁性半導体から非磁性半導体へのスピン偏極電流注入を実現した。(大野) (2)III-V族希薄磁性半導体(Ga,Mn)As、(In,Mn)Asの低温における磁性、電気伝導、磁場応答を詳細に調べ、巨大磁気抵抗効果を見出し、この2種類の半導体のMn濃度に対する相図が極めて似通っていることを見出した。また結晶成長後低温でアニールすることで、AsとMnの複合欠陥が消失し試料の性質が劇的に改善することがわかった。(勝本) (3)III-V族希薄磁性半導体(Ga,Mn)Asにおける強磁性探索とその発現機構を解明することを目的に(Ga,Mn)Asの電子状態を第一原理計算を行い、最近接遷移金属間の磁気相互作用は価電子バンドに正孔を供給するV,Cr,Mnにおいて強磁性的になることを明らかにした。(鈴木) (4)半導体人工原子及び人工分子を作製し、人工原子に関しては原子と同様な量子力学的な基本則が成り立つこと、磁場を印加することでスピンに関して様々な状態遷移が起こること、また人工分子に関してはスピンブロッケード、擬スピンブロッケード、スピン選択トンネルなど新しいスピン効果が現れることを示した。(樽茶)
|