研究課題/領域番号 |
09244209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤原 康文 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10181421)
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研究分担者 |
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学部, 講師 (90222124)
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 局在スピン / 希土類イオン / OMVPE法 / InP / GaP / Er / 蛍光EXAFS法 / X線CTR法 |
研究概要 |
「原子レベルでの結晶成長・不純物添加技術」と「ミクロ構造の直接的評価技術(蛍光EXAFS法やX線CTR散乱法)」との連携を基盤として、III-V族化合物半導体中に希土類元素の有する「局在スピン」を原子のレベルで精密配置することにより、電子と「局在スピン」間の相互作用を人為的に設計・制御し、新しい物性・機能を効果的に発現させることを最終目標とする。 希土類イオンとしてErを取り上げ、OMVPE法により各種III-V族化合物半導体にErを原子レベルで制御しながら添加する技術を確立することを当面の目標とした。本年度はInPやGaPといったP系III-V族化合物半導体を主に取り上げ、Er添加条件と、Er発光特性やEr原子周辺局所構造との関連を調べた。その結果、InPにおいてはEr添加条件によりEr原子周辺局所構造、さらにはEr発光特性を制御できることが明らかになった。得られた知見は以下のとおりである。 Er均一添加InPで観測されるEr発光は成長温度に強く依存し、580℃以上ではEr発光強度が激減した。放射光を用いた蛍光EXAFS測定により、Er原子の周辺局所構造が成長温度550〜580℃を境にして劇的に変化することが明らかになった。その結果として、観測されるEr発光にはInサイトを置換したErが関与していることが明らかになった。一方、Er均一添加GaPでは、Gaサイトを置換したErしか観測されなかった。 Erδ添加InPでは取り込まれたEr原子はrocksalt構造を有するErPを形成して存在すること、X線CTR散乱測定より、深さ方向に対して数原子層内に閉じ込められていることが明らかになった。
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