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歪み超格子構造によるスピン偏極電子ビームの生成

研究課題

研究課題/領域番号 09244210
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関名古屋大学

研究代表者

中西 彊  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40022735)

研究分担者 堀中 博道  大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード電子スピン / 偏極電子ビーム / 負の電子親和性 / NEA表面 / 超格子 / 偏極度 / スピン緩和時間
研究概要

スピン偏極電子ビームの生成方法として,超格子構造半導体型フォトカソードを試作し,このカソードから得られるビームの性能を系統的に調べた。MBE法により試作した超格子構造は,GaAs-AlGaAs,InGaAs-GaAs,InGaAs-AlGaAsの3種類であり,後者2つは歪み井戸層を有している。それぞれのフォトカソードに対し調べた性能は,(1)偏極度,(2)量子効率,(3)表面電荷制限現象,(4)スピン緩和時間の4つであり,前の3項目は名古屋大学の偏極電子源装置,最後の項目は大阪府立大学のフォトルミネッセンス観測装置により測定した。この結果それぞれの項目に対し,以下のような新しい知見を世界に先駆けて明かにすることができた。
(1) 最も高い偏極度(〜90%)はInGaAs-GaAsにより得られる。InGaAs-AlGaAsでは(70〜80)%が得られ,GaAs-AlGaAsでは約70%が限界となることが判明した。この理由についてはなお追求中である。
(2) 高い量子効率(〜0.5%)がGaAs-AlGaAsで得られ,これに準じた量子効率がInGaAs-AlGaAsでも可能であること,これに反してInGaAs-GaAsは1桁低い量子効率しか得られないことが確かめられた。これらのデータから「高い量子効率にはバンドギャップの広い超格子構造が有利である」という法則性を導くことができた。
(3) 70keV電子銃を用いて,高密度・ナノ秒マルチバンチ・偏極電子ビームの生成試験を実施した。このテーマの課題は,NEA表面に溜まる電子により後続の電子が真空に出るのが阻害される表面電荷制限現象の緩和であったが,超格子構造による伝導帯のシフトを利用しNEAを大きくする方法によりこの現象を克服でき,空間電荷制限密度のマルチバンチビームが生成可能であることを証明できた。
(4) 3種類の超格子につきフォトルミネッセンス測定を実施し,室温でのスピン緩和時間は(70〜100)ピコ秒,全緩和時間は(60-70)ピコ秒の範囲に分布することを明らかにした。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Tawada 他11名: "Quaritum-efficiency Dependence of the Spin Polanization of Photoemission from a GaAs-AlGaAs Superlattice" Japanese Journal of Applied Physics. 36巻5A号. 2863-2864 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Nakamura 他21名: "Acceleration of Polarized Electrons in ELSA" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. (掲載決定).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] T.Nakanishi 他17名: "High Polarized Electrons from Superlattice Photocathocles" AIP Conference Proceedings. 421. 300-310 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] S.Okumi 他12名: "Design of a 200KeV PolarizedGun for a Linear Collider" Proceedings of the 22nd Linear Accelerator Meeting. 272-274 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] C.Suzuki 他11名: "An Experimental Study to Reduce the Field Emission ParkCurrent from the Clean Copper Surface Prepared for an RF-Gun Cavity" Proceedings of the 22nd Linear Accelerator Meeting. 275-277 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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