研究概要 |
RPCに使用するガスとしてブタン/アルゴン/フレオンの割合を16通りの組合せを試験した。ブタンは4,8,12,25%で、アルゴンは20,25,30,35%の割合である。これらのガス混合比でブタンが4%と8%は非可燃性ガスである。 これらのガス混合比全てについて印加電圧を変化させ、荷電粒子の検出効率を測定した。検出効率は印加電圧が4KV/mmから4.5KV/mmの範囲でどのガス混合比でも90%以上であった。検出効率が90%に達する印加電圧は主にアルゴンガスの割合に依ることが明らかになった。この変化の割合はアルゴンガスの割合の5%変化に対して130V/mmである。また検出効率が90%を越えて安定して動作する印加電圧の範囲はどのガス混合比でも400V/mm以上で、印加電圧が低いガス混合比で範囲が広くなる傾向が見られる。 RPCを流れる電流は専らアルゴンガスの比率で決まり、印加電圧が低いガス混合比で少ない傾向にある。アルゴンが20%で、0.4マイクロA/m^<**>2で、35%で0.3マイクロA/m^<**>2である。表面での自発的放電はどのガス混合比でも変化せず、0.03Hz/cm^<**>2程度である。またRPCの荷電粒子に依る放電の時間的ふらつきは2ナノ秒程度であり、これもガス混合比に依らないことがわかった。 放電における誘導電荷を測定することによって、多重放電の効果を調べると、ブタンの混合比に依って変化することがわかった。ブタンが4%,8%のときは単放電の割合は0.7〜0.8で、12%,25%のときは0.8〜0.9であり、これは、多重放電がガラス表面での光電効果であると言う推測と一致する。
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