研究課題/領域番号 |
09248221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
山田 悦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30159214)
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研究分担者 |
胡 連春 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教務職員 (60273546)
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | PET / PC / ケミカルリサイクル / プラスチック廃棄物 / テレフタル酸 / ビスフェノールA / 炭酸ジメチル / モノマー再生反応 |
研究概要 |
環境中に投棄され焼却されるプラスチックは、環境破壊のみならず貴重な有機資源の枯渇や地球温暖化につながる世界規模の問題である。この問題解決には、廃棄プラスチックを設置容易な簡便装置を使って原料モノマーへ戻すサイクルを効率よく編成することが重要である。本研究では、重縮合系高子の代表としてポリエチレンテレフタレート(PET)を主たる研究対象にとりあげ、原料モノマーへ解重合し再利用するケミカルリサイクル法の開発を行った。ポリカ-ポネートについても同様の検討を行った。 1,穏和な条件下、PETは無水エチレングリコール(EG)中150〜180℃で短時間にアルカリ分解して、テレフタル酸ナトリウムとEGに解重合する。テレフタル酸ナトリウムは個体粉末として析出するのでろ過によって容易に分離でき、これを少量の水に溶解し、濃硫酸を加えてテレフタル酸(TPA)を晶析させる。この方法を実際に回収した廃PET試料へ適用したところ、回収試料に含まれる不純物や色素及び未分解物などは精製の過程で除かれ、高純度のTPAが高い回収率で分離できた。さらに本法をスケールアップして技術的実験を進め、PETの工業的また社会的リサイクル法としての実用化の可能性を探りたいと考える。 2,1,の方法よりさらに低い温度でPETを加アルカリ分解する方法として、アルコールとエーテルの混合溶媒系についても今回新たに検討した。アルコール中でPETの加アルカリ分解が少量のジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒の添加によって大幅に促進された。この方法によって室温〜70℃の温度範囲でPETが約1時間でモノマーに分解し、TPAを定量的に回収できることがわかった。 3,PETに類似のポリエステル系プラスチックであり、現在製造量が急増中のポリカーボネート(PC)について、同様にアルカリ系触媒を用いた解重合反応を開発し、定量的にビスフェノールAと炭酸ジメチル(いずれもPCのモノマーとなるもの)を得るケミカルリサイクル法を見出した。
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