研究課題/領域番号 |
09248225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 純一 広島大学, 工学部, 助教授 (90231258)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リンの生物循環 / 亜リン酸 / CP化合物 / 不活性リン化合物 / ハイテク産業 / バイオコンバージョン / 環境微生物 |
研究概要 |
ハイテク産業から生じる不活性リン化合物(亜リン酸とホスフォン酸)は他の用途がないため、海洋投棄などにより廃棄されている。不活性リン化合物の環境への放出は、貴重なリン資源の無駄使いであるばかりでなく、地球生態系におけるリンの健全なる生物循環を脅かすものである。そこで本研究では不活性リン化合物の再資源化システムの構築を目差し、不活性リン化合物をほとんどの生物が利用可能なリン酸化合物に効率良く変換する細菌の分子育種を試みた。まず、高い不活性リン化合物資化能を持つKlebsiella aerogenes ATCC9621株から不活性リン化合物資化に関与するphn遺伝子群をクローニングした。このphn遺伝子群とポリリン酸合成系の鍵酵素であるポリリン酸合成酵素遺伝子(ppk)をプラスミドを用いてATCC9621株に導入し、亜リン酸を唯一のリン源とした培地で培養した。その結果、phn遺伝子群とppk遺伝子をそれぞれ単独に増幅した形質転換株は親株と同程度のポリリン酸を蓄積した。それに対し、phn遺伝子群とppk遺伝子双方を同時に増幅した形質転換株は、親株の約30倍ものポリリン酸を細胞内に蓄積することが判明した。次に、グルコースを炭素源とした人工排水(亜リン酸濃度:0.5mM)を用いて培養試験を行い、排水中の亜リン酸濃度の経時変化を測定した。その結果、phn遺伝子群とppk遺伝子を増幅した株は約0.4mMの亜リン酸を取り込み、この形質転換株が亜リン酸取込み能においても親株の2倍高い性能を持つことがわかった。
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