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ダイオキシンの発生毒性発現機序の分子生物学的・細胞化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09248228
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関広島大学

研究代表者

安田 峯生  広島大学, 医学部, 教授 (50079688)

研究分担者 山下 敬介  広島大学, 医学部, 助教授 (40166666)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードダイオキシン / 発生毒性 / 催奇形性 / Ah受容体 / 口蓋裂 / 水腎症 / ノックアウトマウス
研究概要

ダイオキシン類の毒性発現にはアリル炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor,以下AhRと略)を介するものと介さないものがあるといわれる。発生毒性発現の分子的機構を解析するため,AhR遺伝子ノックアウトマウスを入手した。野生型(Ahr^<+/+>)対照にはC57BL/6系マウスを用い,AhRノックアウト・ホモ(Ahr^<-/->)個体,ヘテロ個体(Ahr^<+/->)とのTCDDの発生毒性に対する感受性の差を調べた。マウスの妊娠12.5日(腟栓発見日=妊娠0日)にTCDD 0.625-80μg/kg体重を1回強制経口投与し,妊娠18.5日に母体を屠殺して胎仔の口蓋裂,水腎症の発現頻度を調べた。予想されたとおり,野生型胎児ではほぼ全例に口蓋裂,水腎症をおこす条件でTCDDを投与しても,ホモ胎児では全く奇形は生じなかった。この結果はTCDDによる奇形誘発にAhRが介在することを明確に示したものである。ヘテロ胎児では口蓋裂の頻度が野生型よりかなり低く,AhR遺伝子の量が正常の半分であるとTCDDの効果が十分に発揮されない単数機能不全(haplo-insufficiency)が観察された。水腎症はヘテロ胎児でも全例にみられたが,これは水腎症の誘発閾値が口蓋裂のそれよりも低いためと思われる。
また,AhR遺伝子の破壊に用いたLacZ遺伝子産物をレポーターとして,発生途上のAhRノックアウト・ヘテロ個体を材料に,β-ガラクトシダーゼの組織化学により,AhRの組織での分布を調べた。その結果は野生型マウスでインシツハイブリダイゼーション法により調べられたAhRメッセンジャーRNAの発現領域とほとんど一致していた。発生途上の二次口蓋突起,尿管,中腎管,中腎傍管,脊髄神経節,末梢神経系などにAhRが存在することが確認された。AhRは口蓋裂,水腎症の誘発には必須であるが,その有無がダイオキシンの毒性標的器官となるか否かを直接決定するのではないことが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mimura,J., 他: "Loss of teratogenic response to 2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD)in mice lacking the Ah(dioxin)receptor." Genes to Cells. 2.10. 645-654 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 安田峯生: "ダイオキシンの健康影響" 生活と環境. 42・12. 29-30 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 安田峯生: "環境と健康II 第1章IV ダイオキシンによる発生異常の分子機構" へるす出版, 310 (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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