研究課題/領域番号 |
09248232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西村 泰治 熊本大学, 医学部, 教授 (10156119)
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研究分担者 |
千住 覚 熊本大学, 医学部, 助手 (50274709)
松下 祥 熊本大学, 医学部, 助教授 (50167649)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 多発性硬化症(MS) / アジア型MS / 西洋型MS / HLA遺伝子 / 疾患感受性遺伝子 |
研究概要 |
欧米白人では従来より多発性硬化症(MS)とDRB1^*1501-DRB5^*0101-DQ6(DQA1^*0103-DQB1^*0601との強い相関が明らかにされていた。いっぽう、日本人ではMS患者集団でDRB1^*の頻度が有意に増加しているとする観察もあるが、これには異論も多い。本研究は日本人においてMSに感受性を示すHLA遺伝子を、特にMSの臨床型の相違に着目して解析することを目的とした。日本人のMSには2つの異なる臨床型があることが知られている。ひとつは脳内に多発性に病巣が認められる西洋型MSであり、もう一つは脳内の病巣は比較的に少なく、脊髄や視神経に病巣を有するアジア型MSである。我々は日本人でも西洋型MSは、DRB1^*1501-DRB5^*0101ハプロタイプと強い相関(患者群VS健康対照群、41.2%VS14.2%、P<0.002)を示すが、アジア型MSは、まったく相関を示さない(0%VS14.2%)ことを明らかにした。従来の報告は、2つのMS病型を区別せずに解析していたために、相関が観察されなかった可能性が考えられる。さらにDP対立遺伝子を決定し、アジア型MSとDPB1^*0501との正の相関(患者群VS健康対照群、88.6%VS63.0%、P<0.002)を明らかにした。アジア型MS患者では脳脊髄液中のガンマグロブリンおよび単核細胞が増加しており、また他の自己免疫疾患の合併も観察されている。したがって、アジア型MSも自己免疫現象によりもたらされている可能性が考えられる。この観点より2つのMS病型において、自己反応性T細胞が認識する自己抗原が同一であるのかどうかを検討することは、今後の重要な研究課題である。
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