研究課題/領域番号 |
09250203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横田 崇 東京大学, 医科学研究所, 客員教授 (50134622)
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研究分担者 |
西中村 隆一 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (70291309)
高木 峰生 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (10272501)
平家 俊男 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (90190173)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / キメラ受容体 / gp130 / Leukemia Inhibitory Factor(LIF) / トランスジェニックマウス / コロニー形成 / Stem Cell Factor(SCF) / 自己複製機構 |
研究概要 |
造血幹細胞増幅を目的として、様々なサイトカインを組み合わせた培養系が試みられている。これらの結果より、gp130を介するシグナルが造血幹細胞増幅に重要な役割を果たすことが明らかとなっている。我々はこのgp130を介するシグナルを、より未熟な細胞において、人為的に制御することによって造血幹細胞の増幅の可能性を試みるため、以下のキメラレセプターを導入したトランスジェニックマウスを作成した。キメラレセプターは、種特異性を持たせるため、hGM-CSF受容体‐α鎖、β鎖の細胞外領域に、mLIF受容体β鎖、mgp130の細胞内領域を融合させ(hGM‐CSFRα/mLIFRβ,及びhGM‐CSFRβ/mgp130)作成した。これらのキメラレセプターは、より未熟な細胞においても発現を確保するため、マウス主要組織適合抗原複合体(MHC)L領域遺伝子(H2‐Ld)プロモーターにより駆動させた。キメラレセプターの発現は、成体では骨髄、胸腺、脾臓、脳、心臓、肝臓、腎臓において確認され、9dpcの胎仔においても同定された。このトランスジェニックマウスに、hGM‐CSF 10μg/mlを2週間in vivo投与したところ、末消血における白血球と血小板の増加、骨髄、脾臓由来のCFU‐Mix数の増加を認めた。また、5‐FU処理トランスジェニックマウスよりの骨髄細胞のコロニー形成能を検討したところ、hGM‐CSF,SCFの存在下でCFU‐Mix数の増加を認めた。このトランスジェニックマウス由来の造血幹細胞のin vitroでの増幅を試みるため、5‐FU処理トランッスジェニックマウスの骨髄より、lineage‐negativeな細胞を分取した。液体培養系において、この細胞の増幅を検討したところ、hGM‐CSF,SCF単独では効果を認めなかったものの、hGM‐CSF,SCF共存下において、有核細胞数、および種々の前駆細胞の増加を認めた。hGM‐CSF+SCF,IL‐6+SCF,IL‐11+SCFの効果を比較したところ、hGM‐CSF+SCFにおいてより効率よい増幅が認められた。これらの結果より、このトランスジェニックマウスにおいて、IL‐6レセプター、IL‐11レセプターは発現しないが、導入したキメラレセプターを発現する造血幹細胞の存在が推察された。現在、このマウスを用いて、効率よい造血幹細胞の増幅について検討中である。
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