研究課題/領域番号 |
09251208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
伊藤 紀美子 新潟大学, 農学部, 助手 (10281007)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | トランスポゾン・タッギング / Ac / α-アミラーゼ / ジベレリン / GUS / 情報伝達 / イネ / 発芽 |
研究概要 |
発芽時に、イネでは植物ホルモン・ジベレリン(GA)が主要な役割を担う。この際発現する、様々なGA誘導型の遺伝子のひとつである、α-アミラーゼ遺伝子の発現を指標として、トランスポゾン・タッギングによるGA情報伝達系の調節遺伝子の探索を行った。 [変異体の検出]Ac系統と、RAmy1A/GUS系統を交配した無胚半切種子をGAで処理し、胚乳デンプンの糖化の程度とGUSの発現レベルが正常より遅れる固体を検出した。残りの胚切片は、1/2MS、スクロース培地上で生育させ、発芽の進行度と幼植物の形態を観察した。15固体の独立のF1植物から得たF2種子のうち、約800粒のスクリーニングを行い、GA応答や発芽時の発生・成長に関与すると考えられる変異体を検出した。これらはa)RAmy1A/GUSの誘導が遅延する変異、b)乳胚の糖化が起こらない変異、c)発芽の遅延、あるいは発芽しない変異であり、全体の27.5%でいずれかの変異が観察された。 [変異の遺伝とAcとの連鎖]変異系統(F2世代)で観察された表現型は約60系統のF2植物より得られた自殖F3種子1000粒のうち、ほぼ全てのF3種子において、遺伝していた。これら顕著な表現型を持つ17系統を選び、サザン法によりAcとの連鎖を調べた。合計270固体のF3植物を解析したうち、表現型の分離と一致するAcは観察されなかった。これらはAcの新たな挿入によるものではなく、過去にAcの活発な挿入、再転移により蓄積された変異と考えられた。 [変異の固定]胚乳の糖化が遅延する変異を持つ系統の一部では、Acはすでに存在しないが、変異がほぼ固定し、生化学的解析に供し得る系統が得られた。また、遺伝解析を行うために、戻し交配を行い、F1種子を得た。この変異はGAの刺激により、Ca^<2+>を介してアミラーゼの翻訳・分泌を制御する経路に関わる遺伝子である可能性が高い。
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