研究課題/領域番号 |
09251215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 雄一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60183125)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 移行タンパク質 / 原形質連絡 / タバコモザイクウイルス |
研究概要 |
TMVの移行タンパク質(MP)をGFPとの融合タンパク質として発現し、細胞間移行能を保持しているLQwt: Gfusウイルスを作成した。GFPの蛍光により機能する細胞内でのMPの動向を追跡することが出来るようになった。TMV感染プロトプラストでは感染後6時間で蛍光が点状に細胞質内に散在している(punctate/dots)。感染後18時間もすると大きな集塊を形成し(irregular body)、蛍光が細胞骨格(filaments)の上にも移行していく。この経時変化はウイルス感染組織でも観察された。合成されたMPは近傍で合成される子孫ウイルスの遺伝子RNAを結合した形で、細胞質内で結集したうえで細胞骨格を経由してスライド移動し、原形質連絡へと移行するというモデルが考えられた。MPのリン酸化に関する種々のdefective変異体はこのMPの移動過程の途中で止まっている像が観察された。細胞間移行から組織間移行へと推移する段階でのMP所在を師管と道管の関係とあわせて観察すると、維管束の組織に沿って、蛍光が細胞の表面に点在しており、原形質連絡(plasmodesmata)に存在する様子がみえる。 LQwt: Gfus感染をトマト(本来の宿主植物)のプロトプラストでおこなうと、感染18時間ごろに多く、細胞表面から非常に細長いひげのような管状の構造(tubular structure)が現れることが見いだされた。現在、蛍光顕微鏡観察と電子顕微鏡観察によって、長さは10‐20μm、直径30‐50nmほどのものであることが確認された。所々で結び目のような構造が電子顕微鏡観察によってみられ、これは蛍光顕微鏡下では節のようにみえる。 ブタ脳より調製した精製チューブリンやウサギから調製したアクチンと大腸菌で発現させたMPのin vitroでの相互作用の検討をはじめた。
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