研究課題/領域番号 |
09253102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下遠野 邦忠 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10000259)
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研究分担者 |
金子 周一 金沢大学, 医学部, 助教授 (60185923)
村上 清史 金沢大学, がん研究所, 教授 (90019878)
小池 克郎 癌研究会, 癌研究所・遺伝子研究施設部, 部長 (30085625)
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 教授 (00144478)
小原 道法 東京都臨床医学総合研究所, 放射線研究部, 室長 (10250218)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
105,000千円 (直接経費: 105,000千円)
1999年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1998年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1997年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / C型肝炎ウイルス / 染色体不安定性 / 細胞障害性T細胞 / X蛋白質 / MHC / p53 / アポトーシス / がん抑制遺伝子 |
研究概要 |
肝発がんの主な感染因子としてC型肝炎ウイルス(HCV)およびB型肝炎ウイルス(HBV)が知られているが、これらの因子による発がんの分子機構を明らかにする目的で、HBVについてはX遺伝子の機能解析を行い、Xは核内で転写因子の機能を制御する際に、通常は細胞内で転写抑制的に作用する因子と拮抗して転写machinaryと結合し、その結果細胞遺伝子発現を促進するように働くことを明らかにした。また、Xタンパク質は細胞質においてはミトコンドリア膜に会合して、膜電位の破戒、チトクロームCの遊離を経て細胞にアポトーシスを生じさせる働きがあることを見い出した。HCVについてはウイルスタンパク質による細胞増殖性との関連を調べ、ウイルスのコアタンパク質が抗アポトーシス作用を示すこと、同じタンパク質がRas/Raf経路を活性化することを明らかにした。また、肝臓がん組織における増殖シグナル、特にアポトーシス抑制に働くBADの機能解析を行い、AKT,Aキナーゼががん部で亢進されているためにBADのリン酸化も亢進し、その結果アポトーシスに対してがん細胞が抵抗性を示す可能性が考えられた。一方、HBV感染による染色体の不安定化におよぼす作用についての解析を行った。また、HCV遺伝子のheterogeniet解析を、がん部と非がん部において行ったが、両者に違いは見い出されなかった。HCVタンパク質を発現するトランスジェニックマウスを作成してウイルスタンパク質を産生している肝臓細胞に対するCTLによる攻撃が抑制される分子機構を解析し、一つの原因としてMHCクラスI分子の膜表面への提示が抑制される結果であることを示した。
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