研究課題/領域番号 |
09253206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
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研究分担者 |
加藤 潤一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10194820)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 染色体異常 / 組換え / 修復 / Ku抗原 / サイレンシング因子 / ウェルナ-症候群 / ブルーム症候群 / Rad21 |
研究概要 |
転座や欠失変異などの染色体異常ががん化の原因となる例が現在までに数多く知られている。染色体異常の多くはDNAの長い相同性がない領域でおこる非相同的組換えによってひきおこされる。我々は染色体異常の起こるメカニズムを明らかにする事を目的に、出芽酵母を用いて作成した非相同的組換えを検出する系により染色体異常に関与する遺伝子の同定と、また分裂酵母を用いてDNA修復に関与する遺伝子の解析を行った。 (1) 出芽酵母のKu抗原ホモログ(Hdf1)の非相同的組換えにおける機能を調べるために、two hybirid systemを用いてHdf1と相互作用する因子の同定を行い、サイレンシング因子Sir4がHdf1と相互作用することを明らかにした。さらに、Sir2、Sir3、Sir4がDNAのヘテロクロマチン化をへてDNAのエンドジョイニングに働くことを明らかにした。また、DNAのエンドジョイイニングを介して組換えと修復に働くことを明らかにした。 (2) ブルーム症候群、ウェルナ-症候群原因遺伝子(BLM,WRN)を出芽酵母の中で発現させ、出芽酵母のこれらの原因遺伝子のホモログであり、RecQホモログでもあるSGS1遺伝子の変異を相補できるかどうかを調べたところ、両遺伝子はともにSGS1遺伝子の組換え抑制機能の欠損を相補できることがわかった。この事実は、BLMとWRNの組換え機能の欠損が、ヒトのブルーム症候群、ウェルナ-症候群の細胞で見られる染色体の不安定の原因であることを示唆している。 (3) 染色体の分配に関与する分裂酵母のRad21や出芽酵母のRad21ホモログ(Rhc21)が、ユビキチン経路の蛋白質分解によって調節されていることを明らかにした。
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