研究課題/領域番号 |
09253211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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研究分担者 |
浅野 雅秀 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50251450)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | ノックアウトマウス / IFN-γ / B16メラノーマ / IFN-γレセプター |
研究概要 |
インターフェロン(IFN)は、抗ウイルス活性以外に多様な生物活性を持つことが知られている。我々は発生工学的手法を導入して、個体におけるIFNの生理的、病理的な役割を検討しているが、本研究ではIFNの抗がん作用のメカニズムを解析した。 IFNの抗がん作用は大きく分けて、免疫系を活性化する作用とがん細胞に対する直接作用とに分けられる。どちらが抗がん作用において重要な役割を果たすかは、がんの種類や宿主によって異なるものと考えられるが、これまで必ずしも明らかではなかった。そこで、我々は、IFN-γの抗がん作用におけるメカニズムを明らかにする目的で、B16メラノーマに対するIFN-γの抗がん作用をIFN-γのリガンドとレセプターのノックアウト(KO)マウスを用いて検討した。その結果、IFN-γのKOマウスでは野生型マウスと比較し、生存日数が有意に短縮することがわかった。また、この時の肺や肝臓における転移コロニー数にも有意な差があり、IFN-γに強い抗がん活性があることが示された。次に、宿主の免疫系の細胞はIFB-γに反応しないが、B16メラノーマ細胞には作用することが可能なIFN-γレセプターのKOマウスを用い同様の実験を行ったところ、B16メラノーマ細胞の転移数は野生型マウスと全く差が認められなかった。これらの結果から、IFN-γの抗がん作用は、がん細胞に対する直接作用が中心で、宿主側のIFN-γレセプターを介する免疫系の活性化は関与していないことが明らかとなった。
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