研究課題/領域番号 |
09253221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
逢坂 光彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (20252463)
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研究分担者 |
杉山 武敏 滋賀県立成人病センター, 総長
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DMBA / ラット / 白血病 / N-ras / LOH / 前癌状態 / WT1 / NBU |
研究概要 |
DMBA(7,12-Dimethy1benz[a]anthracene)誘発ラット赤芽球系白血病にはほとんど全例にN-rasのコドン61の2番目の塩基にAからTへの点突然変異が存在し、この変異は、DMBA投与48時間後に骨髄に生じる発がん過程の最も早期の変化であることを明らかにしてきた。本研究ではこれまでの成果に加え、(1)DMBA誘発原発白血病でN-rasの変異をもつ18例のうち、野生型アリルの欠失は12例、N-rasの周辺のLOHを9例に確認した。 (2)原発白血病21例中15例にWT1の発現がみられた。一方、正常、発癌過程早期では発現は見られず、前白血病状態では8例中1例に発現がみられるのみであった。WT1発現亢進が発癌過程の晩期において白血病の進展に重要な役割を果たしていることを明らかにした。これら2つはN-ras変異に続く遺伝子変化である可能性が示唆され、白血病の進展、細胞増殖に重要な役割を果たしていると考えられた. (3)新たに8種のDMBA白血病の細胞株を樹立した。N-ras遺伝子変異に続く他の癌遺伝子の異常、および随伴する白血病細胞の特性について系統的解析を可能にする。発癌過程より悪性化に到る機構を研究する材料として有用である。 (4) DMBAの誘発する遺伝子変異の特異性について、今回はNBUで白血病を誘発し対比した。DMBA白血病にみられたN-rasコドン61の変異は見られず、この変異がDMBAに特異的であることを示唆する。また、NBU白血病発癌過程においてはras遺伝子の関与の頻度は低く、DMBA白血病とは異なる発癌過程をたどるものと考えられた.
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