研究課題/領域番号 |
09253230
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 裕夫 大阪大学, 医学部, 助手 (20237275)
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研究分担者 |
千森 弘子 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
中村 敏明 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
本行 忠志 大阪大学, 医学部, 助手 (90271569)
野村 大成 大阪大学, 医学部, 教授 (90089871)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1997年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | ヒト正常皮膚 / 改良SCIDマウス / 長期維持 / 太陽紫外線形態の維持 / 日光ケラトーシス / 皮膚癌 / p53 / K-ras |
研究概要 |
ヒト発がんの実験的研究は、限られた、あるいは不自然な条件下(培養細胞など)でしか成され得なかったが、改良SCIDマウスには、ヒト良性腫瘍や前癌病変のみならず、ヒト正常組織の長期にわたる継代維持も可能となった。本研究では、改良SCIDマウスに、最も観察の容易なヒト正常皮膚を移植し、長期にわたり太陽紫外線類似のA,B領域紫外線(UVB,UVA)を連日照射したところ(線量率約2.8J/m^2/sec)、ケラトーシスがヒト皮膚に高率(75-80%)に発生し、2年近い連日照射(0.7〜18×10^5J/m^2)により、ヒト皮膚扁平上皮がん3例と未分化がん1例の誘発に初めて成功した。UVB照射皮膚のパラフィン片よりDNAを抽出し、UVBによるヒト皮膚の遺伝子変異の特性とケラトーシス、がんへの進行過程での変化を調べたところ、K-ras遺伝子の変異は検出できなかったが、p53癌抑制遺伝子の突然変異を調べたところ、突然変異が高率に誘発されており、その75%はdipyrimidine siteのtransitionであった。しかも、誘発されたヒト皮膚ケラトーシス6例中5例および皮膚がん3例中3例ではp53遺伝子のcodon242に特異的に突然変異が誘発されていた。皮膚がん3例には、codon242以外に、2重、3重のp53遺伝子の突然変異が誘発されていた。PUVA療法によるヒト2次皮膚がんでもcodon242に同じ突然変異が確認されており、codon242皮膚がん発生の初期段階で大きな役割をなしているものと思われる。がん化には2重、3重のp53遺伝子の突然変異も必要なのだろう。
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