研究課題/領域番号 |
09253232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
益谷 央豪 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
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研究分担者 |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ヌクレオチド除去修復機構 / 色素性乾皮症(XP) / XPC蛋白質 / hHR23蛋白質 / TFIIH |
研究概要 |
色素性乾皮症(XP)は、ヒトの常染色体性劣性遺伝病であり、ヌクレオチド除去修復機構(NER)に欠損をもつAからGの7つの相補性群に分類されている。NERには、少なくとも2つの機構があり、1つはTCR(transcription-coupled repair)、他方はGGR(global genome repair)と呼ばれている。TCRは転写の鋳型鎖上における速い修復、GGRはそれ以外の領域での遅い修復機構である。XPC蛋白質は、他のXP蛋白質とは異なり、GGRにのみ特異的に要求される因子である。我々は、XPC-hHR23Bを同定して解析を行ってきた。本研究では、XPC-hHR23B蛋白質の機能を明かにすることにより、GGRの機構を明かにするとともに、TCR機構解析へ向けての足掛かりとすることを目的とした。 hHR23B蛋白質の様々な領域を欠失した変異蛋白質を作成し、XPC蛋白質との結合に必要な領域を決定した。さらに、このXPC結合領域のみで無細胞系におけるNER活性を示すのに十分であることが明らかになった。逆に、この結果から、hHR23B蛋白質の他の領域は、NER以外の機能をもつことが強く示唆された。 hHR23Bと高い相同性をもつヒト遺伝子産物hHR23AもhHR23Bと同様にXPCと結合でき、さらに、NER活性の面でもhHR23Bと同程度の活性をもつことを明らかにした。この結果より、hHR23BとhHR23Aは、少なくともNERにおいては互換性のある蛋白質と考えられる。 XPC-hHR23B複合体は基本転写因子TFIIHと物理的に相互作用する。TFIIHは、XPBとXPDを含む複合体であり、転写とNERの両方に関与することから、TCRとGGRを理解する上で鍵になると予想される蛋白質である。そこで、XPC-hHR23B蛋白質複合体とTFIIHとの相互作用の意義について検討し、TFIIHがDNA上に導入されるためには、XPC-hHR23Bとの相互作用が重要であることを示した。
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