研究課題/領域番号 |
09253254
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
白石 昌彦 国立がんセンター, 研究所・腫瘍遺伝子研究部, 室長 (10178931)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | DNAメチル化 / CpGアイランド / がん抑制遺伝子 / 遺伝子不活性化 / MBDカラム / SPM法 / 肺腺がん / エピジェネティクス |
研究概要 |
メチル化DNA結合蛋白質MBDを用いたカラムクロマトグラフィー(MBDカラムクロマトグラフィー)とCpGアイランドの選択的単離法SPM法を組み合わせ、ヒト肺がんにおいて高度にメチル化されているCpGアイランドを網羅的に単離するための実験を行った。まず予備実験により、MBDカラムによるDNA断片の分離はメチル化CpG配列の数に依存してなされることを明らかにした。またゲノムDNAにおいては低メチル化状態のCpGアイランドと高メチル化状態のCpGアイランドの分離がMBDカラムを用いることにより可能であることを明らかにした。続いて9例のヒト肺がん由来の高分子DNAを制限酵素Tsp509Iで切断した後MBDカラムで分離し、高度にメチル化されたDNA断片を得た。これをラムダベクターにクローン化し、高メチル化DNAライブラリーを作製した。このライブラリーから任意に選択した50個のクローンをSPM法により解析し、CpGアイランドを含む25個のDNA断片を単離した。得られたクローンに対応するCpGアイランドが実際にヒト肺がんでメチル化されているかどうかをサザン法、PCR法等で解析したところ、多くのものでがん特異的にメチル化がおこっていることが確認された。これらのCpGアイランドに対応する遺伝子は、ヒト肺がんにおいてメチル化により不活性化されていると考えられる。これらの結果はMBDカラムクロマトグラフィーとSPM法を組み合わせることにより、ヒト肺がんでメチル化により不活性化されている遺伝子を網羅的に単離することができることを示している。また今回の研究で作製されたがんにおける高メチル化DNAライブラリーは、がんにおけるエピジェネティックな異常を解明するための有用な材料である。
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