研究課題/領域番号 |
09254201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
澁谷 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30261324)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | BMP / Yeast two hybrid system / BRAM2 / Differential display / Dlx-5 / 骨分化 |
研究概要 |
BMP受容体会合分子BRAM2を培養細胞系に導入し、BMPやTGF-β受容体との会合特異性を検討したところ、BMPR-IA特異的に会合する分子であると考えられた。BRAM2はTAK1活性化因子TAB1とも結合しうることも明らかとなり、その結合領域はやはりBRAM2のC末側約100アミノ酸の領域であった。これらのことから、BRAM2はBMP受容体とTAK1を介したシグナル伝達系とを結ぶアンカー的役割を果たしているBMPシグナル分子であると考えられた。BMP受容体会合分子BRAM2がTAB1とも会合し、アンカー的な役割を果たしていることが予想されたが、その機能的な役割は明らかとなっていない。今後は果たしてBRAM2がシグナルをポジティブにもしくはネガティブに伝えているのかを検討していく必要がある。 Differential display法を用いることにより、BMP刺激により誘導される遺伝子を探索し、マウスDlx-5を得た。マウスDlx-5mRNAは骨組織特異的に発現されており、他の組織では脳でわずかに見られるだけであった。またBMP刺激により速やかに発現誘導され、その転写誘導には新たなタンパク合成を必要としないことも明らかとなった。さらに骨折モデルマウスを用い、骨折部位の組織における骨再生過程でDlx-5が発現誘導されていることも明らかとした。Dlx-5発現細胞を骨芽細胞株MC3T3-E1で樹立した。得られた発現細胞のうちDlx-5高発現細胞株はBMP刺激することなく、骨分化マーカーの発現を誘導し、明らかな骨分化誘導が確認された。またこのとき骨分化に必要な転写因子であるCbfa-1の発現誘導は起こっていないことからDlx-5が骨分化誘導に必須な役割を果たしている新たな転写因子であることを明らかとした。BMPシグナルに呼応する標的遺伝子をDifferential display法を用いることにより、単離、同定し、Dlx-5が骨分化誘導能を有することを示した。このDlx-5がBMPの初期応答遺伝子であると考えられることから、シグナル分子TAK1やSmadの下流遺伝子である可能性も考えられ、この点を明らかにすることは興味あるところである。
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