研究課題/領域番号 |
09254210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中畑 龍俊 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20110744)
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研究分担者 |
渡辺 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60240735)
辻 浩一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50179991)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | G-CSF受容体(G-CSFR) / Kostmann症候群 / 変異G-CSFR / 白血病 / MDS / トランスジェニックマウス / 造血幹細胞 / 血球分化 |
研究概要 |
Kostmann症候群の一部の患者ではG-CSFR受容体(G-CSFR)遺伝子の変異が見られ、G-CSFの長期使用により骨髄異形成症候群(MDS)や急性白血病が高頻度に合併することが知られている。G-CSFRの変異と急性白血病発症との関係を明らかにするため、ヒト、マウスwild typeおよびKostmann症候群で見られる変異G-CSFR遺伝子を発現する4種類のトランスジェニックマウス(Tgマウス)の作成を試みている。既にwild typeのヒト及びマウスG-CSFR cDNAに発現調節ユニットを連結したプラスミドを構築し、マウス線維芽細胞へのトランスフェクションによりG-CSFR遺伝子の発現をFACSにて確認した。マイクロインジェクション用にまずヒトG-CSFR DNAを調整し、C3H/HeN系マウス受精卵に注入後、偽妊娠マウスの輸卵管に計150個移植し、12匹のマウスにhG-CSFR遺伝子が確認された。hG-CSFRの発現が見られたマウスを交配し得られたF1マウス骨髄細胞を用いて、hG-CSFR蛋白の発現をFACSを用いて確認したところ、2系統のwild type hG-CSFRTgマウスがえられた。hG-CSFR-Tgマウスおよびそのリッターメイトより骨髄、脾細胞を採取し、メチールセルロース培養法を用いて造血幹細胞・造血前駆細胞の増殖・分化に対するG-CSFの作用を検討した。Tgマウス骨髄細胞をヒトG-CSF存在下で培養すると、顆粒球・マクロファージばかりではなく巨核球、肥満細胞、芽球コロニーの形成が見られた。G-CSF存在下で形成された芽球コロニーを取り出し再培養すると、再び種々の血球系コロニーが形成された。以上の結果よりG-CSFが造血幹細胞から顆粒球への分化の方向づけを決定する因子として作用するのではなく、G-CSF受容体を発現している細胞に単なる増殖因子として働くことを示唆された。TgマウスにヒトG-CSFを投与すると、好中球のみならず血小板など他の血球も増加した。G-CSFを連続投与後3ヵ月経過した現在、wild type hG-CSFRTgマウスからはMDSや急性白血病は見られていない。
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