研究課題/領域番号 |
09254232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武部 啓 京都大学, 医学研究科, 教授 (10028318)
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研究分担者 |
巽 純子 京都大学, 医学研究科, 助手 (80128222)
宮越 順二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70121572)
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1997年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | DNA修復 / 複製エラー / アポトーシス / P53 / P21 |
研究概要 |
発がんの各段階は遺伝子の突然変異あるいは発現の変化と考えられているが、その原因となるDNAの変化はDNA損傷あるいはDNA複製のミスによって生じる。DNA修復は、DNA損傷あるいは複製ミスを低減させる効果を有するが、時には修復のエラーも生じ得る。本研究は(1)DNA修復によって突然変異の型が変わるか、(2)複製エラーは自然突然変異に限られるか、(3)放射線によるアポトーシスに関与している遺伝子の働きとDNA修復、の3点の解明を主な目的とした。放射線および化学物質によって生じたDNA損傷のうち、アルキル化剤損傷以外では、DNA修復が存在すると、p53遺伝子、p21遺伝子などの突然変異は量的に減少するが、塩基変化の型などの質的な面では大きな違いはないことが明らかになった。p21遺伝子は突然変異が生じると、ヒトがん細胞のアポトーシスを阻止する能力が低下した。紫外線によって生じた皮膚がんと自然に生じたとみられる悪性黒色腫で複製エラーの有無を比較したが両者に差はなく(昨年度からの継続実験)、複製エラーの意義は解明できなかった。本研究は同一課題で3年間研究したが、紫外線による皮膚がんの発生を中心に、各段階の突然変異の中でp53遺伝子の突然変異が中心的役割を果たしていることが、p53遺伝子に紫外線特有のDNA変化がみられ、それが発がんの原因となっていることが高発がん性の色素性乾皮症患者の皮膚がんで明確に示された。
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