研究課題/領域番号 |
09254248
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古川 鋼一 名古屋大学, 医学部, 教授 (80211530)
|
研究分担者 |
古川 圭子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50260732)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | ガングリオシド / 糖転移酵素 / PC12 / メラノーマ / メラノサイト / 神経成長因子 / TrkA / 増殖 |
研究概要 |
本研究では、ラット褐色細胞腫PC12およびメラノサイト-メラノーマ細胞のシステムを用いて、(1)糖鎖リモデリング細胞の形態や増殖度などの表現型の変化、(2)その増殖シグナル伝達分子や増殖関連転写因子の変化、(3)ガングリオシドと会合し相互作用する分子の同定と意義を解明することにより、細胞増殖制御におけるガングリオシドの役割と、癌細胞における意義を明らかにせんとした。 PC12にβ1,4GalNAc転移酵素、α2,シアル酸転移酵素cDNAを導入し、増殖度とNGFに対する反応性(突起伸長)を検討したところ、後者のトランスフェクタントは著しく増殖度が亢進すると共に、NGFに不応性となった。この細胞におけるシグナル分子の変異を検討した結果、恒常的なNGF受容体(TrkA)のリン酸化とMAPKの活性化を認めた。糖鎖変異の検討ではGD1bの発現上昇が最も顕著に認められた。ハービマイシンA、K252a、ワルトマニン、PD98059などのインヒビターを用いた実験より、TrkA、Raf、Ras、MEKおよびMARKを介する経路の持続的活性化が、分化ではなく増殖の方向にPC12細胞を誘導したと考えられた。現在、GD1bとTrkAとの相互反応と受容体の二量体形成に関して検討すると共に、レチノイン酸添加などによるアポトーシス誘導への感受性の変異を検討中であり、トランスフェクタントにおける抵抗性の出現など、興味ある結果が得られつつある。またヒトメラノーマの初代培養を行い良好な増殖条件を確立すると共に、現在、3種の糖転移酵素遺伝子導入を進めており、樹立したトランスフェクタントについてPC12と同様の解析を行う予定である。
|