研究課題/領域番号 |
09254249
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助教授 (00166620)
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研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Srcチロシンキナーゼ / Csk / Csk homologous kinase(chk) / M期 / 染色体 / 細胞分裂 / チロシンリン酸化 |
研究概要 |
細胞増殖・活性化にはチロシンリン酸反応が深く関わっている。Src型チロシンキナーゼの恒常的活性型への変異体は発癌遺伝子産物として知られている。Src型チロシンキナーゼの活性は、増殖因子などの刺激後G_0からG_1期および細胞分裂M期において、それぞれ一過性の活性上昇が見られ、Src型チロシンキナーゼの活性はCskによって常に抑制的に調整されている。我々は、Csk homologous kinase(Chk)がCskとファミリーを形成すること、膜結合型Chkを介したLynキナーゼ選択的なSrcチロシンキナーゼ制御機構が存在することなどを明らかにしてきた。本研究では、ヒト血液系細胞を用いて、ChkによるSrc型チロシンキナーゼ制御の細胞増殖に対する役割を検討した。まず、chkをヒト未塾骨髄系細胞KMT-2に過剰発現したところ、増殖の遅延・多核化などが見られ、M期染色体の動態異常が観察された。Src型チロシンキナーゼLynとc-Yes」・チロシンフォスファターゼSHP-1・pp80・pp64のチロシンリン酸化蛋白及びChk・CskがM期染色体に強固に会合していた。そして、Chk過剰発現によりLynの自己リン酸化の減少を伴うpp80・pp64のチロシンリン酸化の変動が見られた。Src型チロシンキナーゼとその調節因子群による染色体会合蛋白のチロシンリン酸化がM期染色体の動態に重要な役割をもつことが示唆された。以上、Src型チロシンキナーゼが細胞膜直下のシグナル伝達ばかりでなく、染色体の機能にも関わることが考えられた。
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