研究課題/領域番号 |
09255232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 資正 大阪大学, 薬学部, 教授 (40116033)
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研究分担者 |
青木 俊二 大阪大学, 薬学部, 助手 (60252699)
村上 啓寿 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00210013)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 海洋生物 / 海綿 / 細胞毒性 / 抗腫性 / がん多剤耐性 / ポリケタイド / デプシペプチド |
研究概要 |
新たながん化学療法剤のリ-ド化合物を開発する目的で、培養腫瘍細胞に対する細胞毒性試験と多剤耐性を獲得した培養腫瘍細胞(MDR)を用いたin vitroスクリーニング法を用いて、新規抗腫瘍物質やMDRの薬剤排出機構を阻害する化合物を海洋生物から探索する。現在までに以下の諸点を明らかにした。 1.海綿Dysidea arenariaから見出し構造決定した強力な細胞毒性活性(IC_<50> 5 pg/ml(KB))を示す環状デプシペプチドarenastatin Aについて、活性発現には天然型の立体配置が必須であることを明らかにしている。さらに、種々のarenastatin Aアナログを設計合成し、血清中で容易に15-20エステル結合が代謝されることを明らかにした。現在、15-20エステル部位を代謝されない官能基に変換したアナログを設計し合成を検討している。 2.長崎産海綿Callyspongia truncataから強力な細胞毒性(IC_<50> 10 pg/ml(KB))を示す新規微量ポリケタイドcallystatin Aを単離し、機器分析やモデル化合物を不斉合成する手法を用いてcallystatin Aの全絶対立体構造を決定した。現在、不斉全合成を検討している。 3.多剤耐性を獲得した培養ヒト咽頭扁平上皮ガン細胞 KB-C2株とKB-CV60株を用いて、耐性許容濃度の抗がん剤の存在下、被験サンプルを作用させて生育阻害率を検定するスクリーニング法を導入確立した。この活性試験法を用いて、Xestospongia属の海綿から見出している大環状二量体アルカロイドaraguspongine類がP-糖蛋白を発現するKB-C2株の多剤耐性を克服することを見出した。 4.海綿から見出した新規ステロイドが、P-糖蛋白を発現するKB-C2株とMRPを発現するKB-CV60株にも強く多剤耐性を克服することを見出した。現在、構造解析を進めている。
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