研究課題/領域番号 |
09255248
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松岡 雅雄 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10244138)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病 / アポトーシス / ヒトリンパ向性ウイルスI型 / Fasリガント / Fas抗原 |
研究概要 |
1)Fas陰性ATL細胞の抗癌剤耐性 Fas陰性の表現形質と抗癌剤耐性の関連を検討するためFas陰性のATL細胞を用いてdoxorubicinによるアポトーシス誘導をin vitroで検討した。Fas抗原陽性のATL細胞ではdoxorubicin(4mM)の添加によって2時間後に16%、6時間後に52%のアポトーシスが観察されたのに対してFas陰性のATL細胞ではアポトーシスは誘導されなかった。コントロールである抗Fas抗体(CH-11)でも同様の結果であった。Fas抗原からのシグナルに対して抵抗性であるだけでなくアポトーシスの他のカスケードにも異常が存在することが明らかとなった。このような異常はATLにおける抗癌剤耐性とも関連していると考えられる。 2)Activation induced cell deathの際に誘導されるべきFas LはATLでは刺激後 (ConA+PMA)も全く検出されずFas Lの発現抑制の機序があるのではないかと考えメチル化の有無を検討した。メチル化の検討はgenomic DNAをsodium bisulfiteで処理しCpGでメチル化が起こっている場合にはCのTへの変換が阻害されることを利用したmethylation specific PCR(MSPCR)を用いた。Fas Lではexon1にCpG islandが存在しておりMSPCRによってATLのFas L遺伝子ではメチル化が確認された。正常人単核球ではmethylationとunmethylationの混在するパターンでありmethylationのみが検出されるATL細胞とは明らかな相違が存在した。 3)細胞レベルにおけるFas L遺伝子の発現制御を可能にするためにHIVベクターを用いて誘導可能なプロモタ-でFasL遺伝子の発現を誘導する系を作成した。HIVベクターのLTRはtatの非存在下では働かず導入細胞内では転写が起こらない。誘導可能な発現系としてはVP-16とmutant tetracycline repressorの融合遺伝子でtetracyclineで発現が誘導される系を用いた。tetOをFasL遺伝子の蒸留に連結しFasL遺伝子の転写をテトラサイクリンで誘導するベクターを作成した。
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