研究課題/領域番号 |
09255249
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
古川 龍彦 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40219100)
|
研究分担者 |
宮寺 和孝 大鵬薬品工業株式会社, 創薬センターがん研究所, 研究員
谷 綾子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70284867)
住澤 知之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90206582)
秋山 伸一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117413)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | チミジンホスホリラーゼ / 低酸素 / アポトーシス / 血管新生 / フルオロウリジン |
研究概要 |
1)新しいチミジンホスホリラーゼ(TP)阻害剤をスクリーニングし、既存の阻害剤の数百倍強力な阻害剤TPIを開発した。TPIは水溶性で経口投与が可能な毒性の低い物質で臨床薬剤として十分に使用可能な性質を持っていた。 2)ヒト癌細胞由来のTP強制発現細胞株と発現していない株をヌードマウスに移植して、TP阻害剤を1日二回経口的に投与した。TP発現癌細胞の阻害剤投与群では非投与群に比べて投与開始後10日目では腫瘍重量を50%に抑制する事が可能であった。 これらの腫瘍を三週間後に摘出してTPの発現、毛細血管数、アポトーシスについて比較した。TP発現株では毛細血管数が有意に増加し、アポトーシス細胞は少なかった。培養条件下ではTPを発現していない癌細胞でも、移植条件ではTPが低レベルで発現していることが分かった。 3)無酸素条件下の培養でTP強制発現細胞は親株に比べ増殖が速かった。無酸素条件で48時間培養後にこれらの細胞のDNAをFACSで解析すると、TP非発現細胞では断片化されたDNAが15%あるが、TP発現細胞では3.8%と減少し、TP発現細胞が低酸素下でのアポトーシスに対して抵抗性を示している事が明らかとなった。 4)WiDr細胞でのTNFによるTPの転写活性化の機構をルシフェラーゼアッセイで解析した。5'末転写開始点から上流140ベースの中にシス転写制御エレメントがあるものと考えられた。 5)2種類の癌細胞株由来のTP発現細胞ではフルオロデオキシウリジンにたいする感受性が親株に比べ30-40倍上昇しており,TPIの存在下には感受性は親株と同程度まで低下した。フルオロデオキシウリジンの代謝系を調べたところ、RNAへの取り込みが増加して、感受性が増強していた。 6)TPのターゲティング用のプラスミドをES細胞に導入し、サザンブロットでヘテロザイゴ-トの欠失を確認した。
|