研究課題/領域番号 |
09255256
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | NK細胞 / NKT細胞 / LAK / IL2 / 骨髄移植 |
研究概要 |
がん治療において行われる放射線照射、化学療法は、ともに骨髄由来の顆粒球などを減少させるが故に患者は顆粒球減少症に伴う感染の危険にさらされる。これを防ぐためには骨髄移植が一つの方法であるが、移植骨髄の拒絶が問題である。この拒絶には通常のT細胞が関与するのではなくNK細胞やNK細胞とT細胞の両方の特質を持ったNKT細胞(NKRP-1陽性T細胞)群が関与すると考えられる。NK細胞ならびにNKT細胞の分化ならびにその機能発現に関し、マウスのモデル系を用いて以下の諸点を明らかにした。 1)NK細胞とT細胞の前駆体の分化においてT細胞受容体の再構成のみではT細胞への分化を決定しNK細胞への分化を抑制することはできない。NK細胞の分化にはCD3サブユニットの発現停止が重要であると思われる。2)ダブルネガティブNKT細胞の60-70%がVα14/Jα281と限られた数のVβ(主としてVβ8)を発現する。このVα14/Jα281陽性NKT細胞の前駆体がCD4/8陰性TCR陰性の分画内のc-kit陰性CD44強陽性細胞である。従ってVα14/Jα281陽性のNKT細胞が通常のT細胞とは異なる分化段階を経ると考えれる。3)インターロイキン2によって誘導されるNK1.1陽性かつT細胞受容体陽性LGL(別名T-LGLあるいはT-LAK)はVα14/Jα281陽性のNKT細胞ではなく、ダブルネガティブT細胞中のNK1.1陰性細胞から分化する。今後、これまでに作成したモデルマウス系を用い、移植骨髄片の拒絶にかかわるエフェクター細胞がNK細胞であるかあるいはNKT細胞であるかを検討する予定である。
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