研究課題/領域番号 |
09255261
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
七條 茂樹 久留米大学, 医学部, 助教授 (30080592)
|
研究分担者 |
伊東 恭悟 久留米大学, 医学部, 教授 (50125499)
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 助教授 (30140669)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1997年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
|
キーワード | 食道癌 / cytotoxic T-cell(CTL) / 抗原ペプチド / (SART-1) / gene-expression cloning法 / ロイシンジッパー・モチーフ / 細胞周期依存性 / bicistronic gene |
研究概要 |
食道癌患者の末梢血から自家癌特異的cytotoxic T-cell(CTL)を増やすことに成功し、このCTLが認識する抗原ペプチドをコードする遺伝子、squamous cell carcinoma antigen recognized by T-cell 1(SART-1、GenBank accession number: AB006198)をgene-expression cloning法(Boon T et al)により得た。この遺伝子は、正常細胞も含めて調べた限り全ての細胞で、2.6kbの長さのmRNAとして発現し、核移行シグナル、ロイシンジッパー・モチーフを持つ800アミノ酸残基からなるタンパク質をコードしていることが示唆された。ウエスタンブロットで解析したところ、このタンパク質は正常非増殖性細胞では検出されないが、精巣、胎児肝臓、および増殖細胞(正常細胞も含む)に発現していた。また、DNA結合能を有する核内タンパクで、細胞周期依存性(M期で主に発現)が認められた。一方、扁平上皮癌や腺癌では、43kdのタンパク質も同時に翻訳され(bicistronic gene)、これが癌抗原になっている事が示唆された。また、胎児肝や精巣以外の正常細胞や組織では発現せず、また腫瘍の中でも白血病細胞、メラノーマでは検出できなかった。HLA-A2601拘束性に認識されるペプチド抗原は、KGSGKMKTEであることが示唆され、さらにこのペプチドを用いて、in vitroで自家癌特異的CTLが誘導できた。しかし、このペプチドをワクチンとして用いることができるかどうかは、動物実験での有害事象の検討、in vivoでのCTLの誘導実験、アジュバントの種類、投与量、投与方法など、多くの検討を要する。
|