配分額 *注記 |
40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1999年度: 20,000千円 (直接経費: 20,000千円)
1998年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1997年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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研究概要 |
各種病型の腫瘍を対象にゲノム変化をCGH法で全染色体領域にわたり網羅的にスクリーニングし、悪性度に関与する増幅領域を探索した。見つけだされた新規増幅領域を標的に増幅内遺伝子の同定・単離と機能解析を進めた。胃癌(GC),食道扁平上皮癌(ESC),腎細胞(RCC),卵巣癌(OCC),膵臓癌(PC),肝細胞癌(HCC)、悪性線維性組織球腫(MFH)等の固形腫瘍と成人T細胞性白血病(ATL)においてCGHによる染色体コピー数異常の解析を終了した、(計130株以上)。その結果、新規の増幅領域として複数の細胞株で、1q32,3q36-37,4q12,5P15,7q31,8q22-23,9p23,11q12-14,14q13-21,15q26,17q23-24,18p13等を見出したGC株で検出した15q26増幅領域内に、遺伝子増幅により発現亢進する既知遺伝子IQGAP1と新規遺伝子を同定した。未分化型GC株に比較的高頻度に検出した新規11p13増幅領域内に既知遺伝子ならびに新規遺伝子の3種類をそれぞれ同定した。ESC株において1q32増幅領域内でATF3とCENPFが増幅/発現亢進していることを明らかにした。9p23-24増幅の共通増幅領域から新規の癌関連遺伝子GASC1を単離した。本遺伝子は全長4239bp(1056aaをコード)でPHD,PXドメインを有す。本増幅領域は乳癌の罹病性遺伝子の存在領域とも一致する。RCC株の非乳頭型腎細胞癌において5q31-33領域(D5S624-D5S673)の優先的コピー数増加を明らかにした。本領域内にはPDGFRB,CSF1R,FGF1,IL9,CDC25,CDC25Cなどの増殖関連遺伝子が密に存在する。OCC、HCC細胞株で高頻度検出する14q13-21増幅、またESCの3q36-27増幅において、遺伝子増幅により活性化を受けている既知遺伝子を同定した。悪性線維性組織球腫(Malignant Fibrous Histiocytoma;MFH)で見出した8p23.1増幅領域より新規の増幅遺伝子MASL1を単離した。
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