研究課題/領域番号 |
09257209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古市 貞一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50219094)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | IP_3受容体 / リガンド結合 / セカンドメッセンジャー / 容量依存性Ca^<2+>流入 / イオンチャネル / カルシウム放出 / イノシトール1,4,5-三リン酸 |
研究概要 |
1.タイプ1とタイプ3IP_3受容体のIP_3結合のCa^<2+>依存性は正反対で、Ca^<2+>濃度の上昇とともに、タイプ1は高親和性から低親和性に(EC_<50>が100nMCa^<2+>)、タイプ3は低親和性から高親和性に(EC_<50>が872nMCa^<2+>)、変換した。IP_3誘導性Ca^<2+>放出(IICR)チャネル活性では、タイプ3はタイプ1よりもIP_3感受性が低かった(EC_<50>=〜358nMvs〜226nM)。従って、Ca^<2+>とIP_3の両方の細胞内濃度変化がタイプ特異的なIICRを制御すると示唆される。マウス肝臓のIP_3受容体はほとんどがタイプ1とタイプ2で、タイプ1ノックアウトマウスではタイプ2がほとんどであった。タイプ2は高親和性のIP_3受容体と予想されていたが、このノックアウトマウス肝臓のIICRのIP_3感受性はタイプ1と同じくらいの値であった(EC_<50>=〜260nM)。 2.IICRとCa^<2+>ストア容量依存的Ca^<2+>流入(SOC)との機能協関を明らかにするため、IP_3受容体とSOC特性を示すTrpチャネルをSf9細胞に共発現させることに成功した。現在、IP_3受容体とTrpとの相互作用について解析中である。また、IP_3受容体が強発現したストアではCa^<2+>ポンプ活性が上昇することから、放出チャネルと取り込みポンプとの協関が示唆された。 3.タイプ1遺伝子promoterの-398〜-295小脳特異的な正の制御領域を見つけ、-334〜-318に核蛋白が結合するE-boxに類似したbox-Iを同定した。また、タイプ2遺伝子promoterの一次構造を決定し、転写開始点が翻訳開始ATGの334〜269bp上流に複数存在することも明らかにした。 4.ラット腎臓において、タイプ1は血管平滑筋細胞とメザンギウム細胞に、タイプ2は皮質から内髄質の集合管間在細胞に、タイプ3は血管平滑筋細胞・メザンギウム細胞・皮質集合管主細胞に特異的に発現分布していた。細胞内分布では、タイプ1とタイプ2が細胞質全体に存在するに対して、タイプ3は基底膜側の細胞質に局在することから、極性のあるCa^<2+>シグナル伝達が示唆される。
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