研究課題/領域番号 |
09257220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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研究分担者 |
小畑 秀一 名古屋大学, 医学部, 助手 (10204273)
谷村 禎一 九州大学, 理学部, 助教授 (20142010)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 機械受容チャネル / A6細胞 / 細胞内Ca^<2+> / 全細胞電流 / RVD / 低浸透圧刺激 |
研究概要 |
本研究の大目標は、機械受容チャネルの分子実体を求めることと、細胞機能における生理的役割を明らかにすることにある。本年度は主として後者の研究を進めた。具体的には低浸透圧刺激に対する腎上皮由来のA6細胞の体積調節機構(Regulatory Volume Decrease,RVD)におけ機械受容チャネルの関わりと、その下流のシグナリング機構について検討した。方法としてはレーザ共焦点顕微鏡とパッチクランプを組み合わせて用い、低浸透圧刺激中の細胞体積と細胞内Ca^<2+>、および全細胞電流の関係を分析して以下の結果を得た。1)低張液刺激に対して、細胞体積の急激な膨脹と引き続く減少(RVD)が見られると同時に、2)機械受容チャネルの活性化による、細胞内Ca^<2+>の急速で一過的な上昇と引き続くプラトー相がみられた。さらにやや遅れて、3)全細胞電流の上昇と引き続く減少が見られた。4)この電流は外向きのK電流とCl電流から成り、Na電流の寄与はほとんど無視できた。5)このK電流とCl電流は互いに依存関係にあり、一方を抑制すると、他方も抑制された。また細胞内Ca^<2+>の上昇を抑制すると、これらの電流は抑制された。7)これらの電流を抑制すると、RVDは完全に抑制されたが、細胞内Ca^<2+>の上昇は抑制されなかった。以上の結果をまとめると、A6細胞におけるRVDのシグナリングカスケードでは、<低浸透圧刺激→細胞膨脹→機械受容チャネルの活性化→細胞内Ca^<2+>の上昇→KチャネルとClチャネルの活性化→KClの外向き流の増加→細胞内水の外向き流増加→RVD>であることが示唆された。この結果によって機械受容チャネルが細胞の体積調節において、細胞内Ca^<2+>動員を介して明瞭な生理的役割を持つことが明らかとなった。
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