研究課題/領域番号 |
09257245
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
久保 義弘 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事研究員 (80211887)
|
研究分担者 |
宮下 知之 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 主事研究員 (70270668)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 内向き整流性 / ポタシウムチャネル / cDNA / ポア / 点変異 / cysteine / 細胞外ポタシウム / 構造機能連関 |
研究概要 |
内向き整流性K+チャネルにおいて、膜電位や細胞外K+に依存するチャネルポアのconformationの変化が起きているかどうかを検証した。まず、クローン化された内向き整流性K+チャネルIRK1のポア領域に、まず、点変異法により系統的にcysteine残基を導入し、ポアの構造変化を、cysteine修飾剤のaccessibilityの変化として捕え、以下の知見を得た。 (1)他の一連の変異体に比べ、GYGモチーフの直後にcysteinを導入したF147C変異体は、細胞外からcysteine修飾剤を投与することにより、最も速く大きな電流変化を示した。よって、このアミノ酸が正にポアの外側の入り口付近に位置し、ポアの構造変化の有無を知る目的に適すると考えられた。 (2)このF147C変異体を用いて、様々な膜電位下、細胞外K+濃度下における修飾剤投与時の電流変化の速さを解析した。しかしながら、大きく条件を変えても電流変化の速さは変わらなかった。すなわち、C型不活性化に類似のポアにおける構造変化は内向き整流性K+チャネルIRK1では現時点では検出できなかった。 (3)H5ポア領域の真ん中にcysteineを導入したT141C変異体においては、修飾剤を外側から投与したときのみに電流変化が見られた(図1参照)ので、内向き整流性K+チャネルIRK1のこのアミノ酸は、細胞外側に面しているということが結論された。膜電位依存性K+チャネルの対応するアミノ酸は細胞内側の面していることが報告されているので、同じK+選択モチーフを持つポアとはいえ、両者の構造は大きく異なることが明らかになった。
|