研究課題/領域番号 |
09257246
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
三木 俊明 (財)東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (10239204)
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研究分担者 |
川喜田 正夫 (財)東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (00012740)
石田 信宏 (財)東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (20291148)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 糖ヌクレオチド / ポリアミン / 輸送体 / cDNA / 組み替えDNA / 強制発現 / ペプチド抗体 |
研究概要 |
UDP-ガラクトース輸送体、ポリアミン輸送体について次の研究成果を得た。 1.UDP-ガラクトース輸送体(UGT): 驚異的C末ペプチド抗体を用いて免疫蛍光法による観察を行った結果、ヒトUGTタンパク質の分布は、ゴルジ装置のマーカーの分布とよい一致を示した。さらに、細胞分画を行った結果、UGTタンパク質がガラクトース転移酵素とともにゴルジ膜に局在することを、上記の免疫蛍光法による観察結果とあわせて確立した。この分画法によって得られるゴルジ膜小胞は、非特異的透過性を示さず、またright-side-outで、輸送反応の解析に適した膜標品であることも明らかになった。次に、酵母(Scharomyces cerevisiae)中でヒトUGTを発現させた。酵母の形質転換体から調製した膜画分中にUGTタンパク質が検出された。この膜画分のUGT輸送活性を測定した結果、UGTのORF導入に完全に依存した特異的輸送活性の発現が認められた。 2.ポリアミン輸送系 尿中ポリアミン成分の分析から、ジアセチルポリアミンが尿路悪性腫瘍の指標として有用であることを明らかになっている。ジアセチル体は尿中より再吸収されないという結果から、尿中のジアセチル体濃度は、主に血液中のポリアミン濃度と尿細管からの分泌により規定されると考えられる。今回は血液中のポリアミンの動態について検討した。ウサギ赤血球画分は、プトレッシンを時間、温度依存的に取り込んだが、その時の取り込み速度は0〜100μMの範囲で直線的に増加した。この取り込みはスペルミン、スペルミジンが共存しても阻害されなかった。他方、スペルミジンも時間、温度依存的に取り込まれた。このスペルミジン取り込みは、スペルミン添加により70%阻害されたが、プトレッシンによっては阻害されなかった。速度論的解析の結果、スペルミジンの取り込み系は少なくとも2種類あること、そのうちの一つのkmは1.5μMであることが示された。以上の結果から、ウサギ赤血球には、スペルミン、スペルミジン特異的輸送系が存在すると考えられる。また、赤血球に解糖系の阻害剤を添加するとスペルミジンの取り込みは低下した。赤血球のポリアミン輸送系には、ATPが必要であると考えられる。
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