研究課題/領域番号 |
09258216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
増田 貴夫 熊本大学, 医学部, 講師 (80219336)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | HIV-1 / integration / integrase / zinc finger / att site / LTR |
研究概要 |
目的と意義:我々はこれまで、HIV-1インテグレース(IN)のZn^<2+>フィンガー様領域(HHCCモチーフ)に点変異を導入することで、ウイルスの感染価が完全に失われ、その変異の影響は逆転写以前の段階にあることを報告した。以上はMuLVenvとのシュドタイプウイルスをもちいたアッセイ系によりえられた結果であるが、本研究では同様の変異をHIV-1全長クローンに導入し、そのウイルス学的性状及び形態学的解析をおこない、感染価欠失の機序をあきらかにすることを目的とする。 方法:INのN末端に存在するHHCCモチーフに点変異を導入した、HIV-1全長クローン(NL43)を作製した。各変異ウイルスの感染価の測定には、MT-2細胞及びHeLa-CD4-LTR-βgal細胞を標的細胞とした。感染後の逆転写反応はPCR法により、ウイルス粒子内の逆転写酵素活性はendogenousRT法により解析した。また、感染後の長期培養(2ヶ月間)によりrevertantの出現の可能性も検討した。ウイルス吸着/侵入過程をエントリ-p24アッセイ法により解析した。更に、western blot法及び、電子顕微鏡(EM)解析によりウイルス粒子形態に関して検討した。 結果:INのHHCCモチーフ変異株(C43L,H12Q-H16Y)は、cell-free及び、co-culture感染いずれにおいても感染が成立しなかった。また、長期培養によるrevertantの出現も認められなかった。ウイルスの吸着/侵入能に関しては、親株コントロール(WT)と差がなかった。ウイルス粒子内のendogenous RT活性はWTレベルを保持しているにもかかわらず、感染後のウイルスDNA合成は検出されなかった。gag-pol蛋白のプロセッシングは正常におこなわれていた。ウイルス粒子の形態は、H12Q-H16Yは未熟粒子が多数みとめられたが、C43Lは形態、成熟度ともに親株と差が認められなかった。 考察:HIV-1 IN Zn2_+フィンガー様領域変異株の感染性欠損機序として吸着/侵入以降、逆転写開始以前の過程、おそらく脱穀過程に異常があると考えられた。また、HHCCモチーフ変異株は、逆転写以前に欠損があるのでrevertantの出現の可能性も非常に低い。特にウイルス粒子構造を正常に保持していた変異株(C43L)は、不活化HIV-1ワクチンとしての応用も期待できると考えられる。
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