研究概要 |
1.RANTESアミノ末端のアミノ酸配列に相当する合成ペプチドは抗HIV活性を有すること RANTESのchemotactic activityの発現に重要な領域であることが知られている、RANTESの1-10位、およびその近傍のアミノ酸配列に相当するペプチドを合成し、それらの抗HIV活性について検討した。その結果、RANTES1-10は抗HIV活性においても重要な領域であることを明らかにした。(Chem.Pharm.Bull.,1997,45,2125-2127) 2.RANTESアミノ末端のアミノ酸配列をもとにした低分子量の合成ペプチドDTTPAは抗HIV活性を有すること 1.の結果をもとに、RANTES1-10短鎖誘導体を合成し、抗HIV作用を発現する最小単位を検討した。その結果、RANTES6-10(10位CysをAlaに置換)に相当するDTTPAなるペンタペプチドが抗HIV作用を発現する最小単位であることを明らかにした。CC-chemokine類のDTTPA相当領域のアミノ酸配列を比較すると、DTTPAあるいはそれに類する配列は抗HIV作用を有するCC-chemokineにのみ認められ、他のCC-chemokineには見られないことから、この部分が抗HIV作用の発現に何らかの役割を担っていることが推察された。(Bioorg.Med.Chem.Lett.,投稿中) 3.RANTESの抗HIV作用における活性領域は複数存在すること RANTESの部分配列を持つ小ペプチド15種を合成し、それらの抗HIV活性を検討した。その結果RANTESの抗HIV作用における活性領域は3箇所存在することを明らかにするとともに、その場所を特定した。(投稿準備中)
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