研究課題/領域番号 |
09259203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | リピドキナーゼ / ジアシグリセロールキナーゼ / PI3-キナーゼ / PI4-キナーゼ / CDP-DGシンターゼ / 遺伝子発現 / 脳 / Akt |
研究概要 |
ジアシルグリセロール(DG)キナーゼについて、昨年までにわれわれが世界に先駆けて分子構造を明らかにした4分子種に加えて、オランダの研究者と共同で新たな分子種を同定してDGキナーゼθと名付けた。これは3つのcystein-rich domainと1つのproline-rich domainさらにRas-associated domainを含んだpleckstrin homology domainを持つ分子構造をとり、体内では脳に強く発現し、特に小脳皮質と海馬そして嗅球に著明であるが、既報のどの4分子種よりも脳灰白質に広く発現局在していた。PIキナーゼについては、昨年度われわれが哺乳動物で初めて分子構造を明らかにしたPl4-キナーゼ2種を所見をふまえて、Pl3-キナーゼの下流直接標的分子と考えられるAkt/protein kinase Bのラット脳内遺伝子発現を詳細に調べた。胎生期で脳神経形成層に強く発現するのでニューロン発生に重要であること、および成体で運動神経を切断すると、その神経細胞体で遺伝子発現が著明に増強するので、神経線維再生とシナプス可塑性に関与しうることを強く示唆した。さらに、リピドキナーゼ以外のPl代謝関与酵素でショウジョウバエ網膜のシグナリングに重要であることが最近判明された CDP-DGシンターゼの脊椎動物でのはじめての分子種をラットで明らかにした。その分子は成体の網膜視細胞内節にそのmRNAの局在発現させ、中枢神経内では小脳プルキニエ細胞と松果体に明瞭な発現を検出できた。目下、われわれが同定したこれらのリピドキナーゼとそれらの関連分子のトランスジェニックまたはジーンノックアウトのマウスを作成すべく、それぞれのゲノム解析等に努力中である。
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