研究課題/領域番号 |
09259206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 薬学部, 教授 (60089597)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ポリアミン / NMDA受容体 / 結合部位 / site-directed mutagenesis / 活性促進 / チャネルブロック |
研究概要 |
1.NMDA受容体はポリアミン、特にスペルミンによりその活性が二面的に調節されている。すなわち、スペルミンは脱分極時には活性を促進し、過分極時には活性を阻害(チャネルブロック)する。この2ヵ所のスペルミン結合部位を決定するために、一アミノ酸残基置換変異NMDA受容体をアフリカツメガエル卵母細胞上に発現させ、活性を測定した。スペルミンによる活性促進は電圧を-20mVに固定してNR1_A/2B NMDA受容体を用いて測定し、活性阻害は電圧を-100mVに固定してNR1_A/2B NMDA受容体を用いて測定した。また、活性阻害に関しては、促進作用を持たないポリアミン誘導体であるダンシルスペルミンを用いて確認した。その結果、スペルミンによる脱分極時の促進にはGlu342、Trp608、Trp611、Asn616、Trp647、Asp669が関与し、過分極時の阻害にはTrp563、Asn616、Glu621、Asp669が関与していた。すなわち、2ヵ所のスペルミン結合部位の一部は重複しており、膜内外の電位差によりスペルミンが膜中に移動していくと推定された。 2.2ヵ所のスペルミン結合部位の1ヵ所にのみ選択的に結合するポリアミン誘導体を探索した。ベンジルポリアミン誘導体は過分極時に強い阻害効果を示し、その結果はトリベンジル>ジベンジル>ベンジルの順であった。トリベンジルスペルミジン(TB-3-4)は1μMで80%、10μMで97%の阻害効果を示した。また、TB-3-4はダンシルスペルミンの場合と異なり、AMPA/Kainate受容体には効果を示さなかった。
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