研究課題/領域番号 |
09259207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
桑木 共之 千葉大学, 医学部, 講師 (80205260)
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研究分担者 |
竹島 浩 東京大学, 医学部, 助教授 (70212024)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | リアノジン受容体 / ノックアウトマウス / 心拍変動 / パワースペクトル / 最大エントロピー法 / 心筋細胞 / 心臓交感神経 / 心臓副交感神経 |
研究概要 |
心拍変動のパワースペクトル解析を用いて、RyR-3欠損マウス(Ryr-3-/-、n=10)とその同腹兄弟の野生型マウス(WT、n=8)の自律神経機能を評価した。無麻酔下で、四股の付け根に装着したクリップ式電極から記録した心電図信号からR-R間隔を算出し、最大エントロピー法に基づいた自己回帰パワースペクトル解析で低周波数成分と高周波数成分を算出した。RyR-3-/-と野生型マウスの間で、心拍数は有意な差がなかった(706±17b/m vs.672±17b/m)。しかし、R-R間隔の分散係数(coefficient of variance、CV)は野生型マウス(0.046±0.009)よりRyR-3-/-(0.019±0.005)が有意に小さかった(P<0.05)。心拍変動のパワースペクトルにおける周波数成分を比較すると、野生型に比べて、RyR-3-/-の低周波数成分(0.01-2Hz区間)は有意に少なく、高周波数成分(2-5Hz区間)は有意に(P<0.05)大であった。RyR-3-/-における心拍変動の減少のメカニズムは二つが考えられる。第一は、RyR-3は脳内に幅広く分布しているため、その欠損が心拍の神経性調節の異常を引き起こす可能性である。RyR-3欠損マウスは運動性が増加していることも、中枢神経の異常を示唆する。第二は心筋細胞、特に洞房結節でのRyR-3の欠損は心臓の変時性調節を働かせる神経信号を妨げる可能性があることである。心筋細胞でのRyR-3の発現は明確には立証されていないが、このような可能性は現在排除することができない。いずれにしても、RyR-3は心拍の交感神経性調節に関与すると結論された。
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