研究課題/領域番号 |
09259218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牛首 文隆 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50243035)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | プロスタノイド受容体 / ノックアウトマウス / 神経可塑性 |
研究概要 |
神経可塑性の形成には、神経活動に伴う中枢神経系の構造的・機能的な変化が重要と考えられており、最近の研究で神経活動に伴う転写因子や情報伝達に関与する蛋白質の迅速な発現誘導が神経可塑性の形成に重要な役割を持つことが指摘されている。このような物質の中にプロスタノイドの生合成における律速酵素であるサイクロオキシゲナーゼが含まれる。この結果は、プロスタノイドが神経可塑性の形成に関与していることを示唆している。プロスタノイドはアラキドン酸の代謝産物であり、生体内において非常に多彩な作用を示すが、その作用は標的細胞表面にある各々のプロスタノイドに特異的な受容体を介して発揮されている。本研究では、既に作製したプロスタノイド受容体欠損マウスを用いて、各々のプロスタノイドが神経可塑性の形成において果たす役割とその分子機構の解明を目的としている。まず、痛覚の可塑性形成におけるプロスタノイドの役割の解明を目指した。プロスタノイドは、炎症の場において痛覚過敏反応を惹起することが知られている。そこで、各プロスタノイド受容体欠損マウスについて酢酸ライジング試験やホルマリン試験などの炎症角荷による疼痛試験を行い、関与するプロスタノイド受容体の同定を試みた。その結果、酢酸ライジング試験において関与するプロスタノイドは従来考えられていたPGEではなくPGIであることを明らかにした。また、ホットプレト試験、テイルフリック試験、ランダル・セリット試験等を行い、これらの痛覚刺激から動物の行動に至る神経伝導経路に関与する受容体の同定を試みた。その結果、ホットプレート試験において有意に反応の亢進したマウスを見い出した。さらに、アロディニア反応を用いて脊髄での痛覚反応の解析を行い 数種類のプロスタノイド受容体が脊髄での痛覚の制御に関与することを明らかにした。
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