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脳神経系に分布する新規Sykファミリーチロシンキナーゼ

研究課題

研究課題/領域番号 09259224
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

山村 博平  神戸大学, 医学部, 教授 (90030882)

研究分担者 柳 茂  神戸大学, 医学部, 助手 (60252003)
研究期間 (年度) 1997
研究課題ステータス 完了 (1997年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードSyk / ZAP-70 / チロシンキナーゼ / 神経成長円錐
研究概要

血球系細胞に特異的に発現している非受容体型チロシンキナーゼp72syk(以下Sykと省略)はZAP70と共に2つのSH2領域を持つユニークなチロシンキナーゼ群であり、早期細胞内情報伝達においてSrcファミリーチロシンキナーゼと共役的に重要な役割をしていることが証明されている。しかしながら、血球系外の組織においてその存在が認められていない。今回、Syk/ZAP-70と免疫学的に交叉性を示すチロシンキナーゼの精製分離に成功した。以下にこれまで得られた知見を列挙する。
1.SykのSH2領域に対する特異的抗体は分子量66kDaの細胞質型蛋白質と交叉性を示した。興味深いことにこの66kDaの蛋白質は種々のZAP-70の特異的抗体とも交叉性を示した。さらにZAP-70の特異的抗体による免疫沈降実験により強いチロシンキナーゼ活性が検出され、脳組織に発現する新規のZAP-70類似性チロシンキナーゼである可能性が示唆された。
2.この66kDaのチロシンキナーゼをZAP-70の特異的抗体によるウエスタンブロットとチロシンキナーゼ活性を指標としながら、一連のカラムクロマトグラフィーを用いて高度に精製した。その結果、複数の蛋白質と複合体を形成していることが判明し、これらの蛋白質の部分アミノ酸シークエンスを行ったところ、神経ガイダンスに重要な役割をすると推測されている機能不明な蛋白質群と一致し、このチロシンキナーゼが神経ガイダンスに関与している可能性が示唆された。
3.この66kDaのチロシンキナーゼの組織分布をZAP-70の抗体で調べた結果、神経系に特異的かつ広汎に発現しており、特に成長円錐に豊富に存在していた。また興味深いことには、ラット脳の発生過程において出生後から3週令にかけてその発現がピークになり、その後、徐々に減少しAdultでは消失していた。これらの結果より、この66kDaのチロシンキナーゼは神経系の発生に関与していることが推測された。

報告書

(1件)
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Qin,S.et.al.: "Up-regulation of Syk activity during HL60 cell differentiation into granulocyte but not into monocyte/macrophage-lineage." Biochem.Biophys.Res.Commun.236(3). 697-701 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Qin,S.et.al.: "Distinctive Functions of Syk of and Lyn in Mediating Osmotic Stress and Ultraviolet C Irradiation-induced Apoptosis in Chicken B cells." J.Biol.Chem.272(29). 17994-17999 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Rezaul,K.et.al.: "Platelet-Activating Factor Stimulates Calcium-Dependent Activation of Protein-Tyrosine Kinase Syk in Human B Lymphocytes." Biochem.Biophys.Res.Commun.239. 23-27 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Sada,K.et.al.: "Relocation of Syk protein-tyrosine kinase to the actin filament network and subsequent association with Fak." Eur.J.Biochem.248. 827-833 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Tubokawa,M.et.al.: "Interleukin-3 activates Syk in a human myeloblastic leukemia cell line,AML193." Eur.J.Biochem.249. 792-796 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] Yoneya,H.et.al.: "Antibodies directed against ZAP-70 cross react with a 66 kDa tyrosine kinase in the rat brain." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press).

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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