研究課題/領域番号 |
09259234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
吉原 良浩 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (20220717)
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研究分担者 |
森 憲作 理化学研究所, 脳科学総合研究センター・ニューロン機能研究グループ, ディレクター (60008563)
鏡山 博行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80028555)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | テレンセファリン / 終脳 / 樹状突起 / シナプス / 細胞接着分子 / 長期増強現象 / LFA-1 / ミクログリア |
研究概要 |
脳の最も吻側のセグメントである終脳は大脳皮質・海馬・線条体・嗅球などの領域を含み、学習・記憶、各種知覚情報の統合、随意運動のコントロールなどの様々な高次機能を司っている。申請者らは終脳セグメントに特異的に発現している膜蛋白質テレンセファリン(TLN)を発見し、本分子が免疫グロブリン・スーパーファミリーに属する新規の細胞認識・接着分子であることを報告してきた。これまでに、(1)終脳セグメント特異的発現、(2)神経細胞特異的発現、(3)樹状突起膜への選択的局在、(4)成体における高い発現レベルの維持などから、TLNがシナプスの可塑性に関与する可能性が示唆されてきた。また、海馬における長期増強現象(LTP)などの可塑的変化に応じて、樹状突起の形態的変化(スパインの構造変化、シナプス前膜の後膜の接触面の増加など)が報告されており、そのような現象に細胞間の認識・接着を調節する分子が関与していると考えられている。そこで本研究ではシナプス可塑性を制御する分子の候補としてTLNをとりあげ、電気生理学的・解剖学的・行動学的・生化学的・分子生物学的および発生工学的手法を用いてその可能性を追及した。 (1)TLNのカウンターレセプター分子としてのLFA-1インテグリンの発見 TLNがインテグリンファミリーに属する細胞接着分子であるLFA-1(lymphocyte function-associated antigen-1)をカウンターレセプターの1つとすることを見い出した。この結合は特異的なものであり、LFA-1以外のインテグリン(Mac-1、p150,95)にはTLNは結合しなかった。 (2)ニューロン/ミクログリア相互作用におけるTLNの役割 脳内においてLFA-1インテグリンは、ミクログリアに選択的に発現している。そこで可溶性リコンビナントTLN蛋白質を用いて培養ミクログリアに対するTLNの作用を検討したところ、TLN存在下においてのみミクログリアの顕著な形態変化(細胞伸展:cell spreading)が観察された。このことからニューロン上のTLNからミクログリアへと何らかのシグナル伝達が行われる可能性が示唆された。 (3)海馬LTP形成におけるTLNの機能の解析 抗TLN抗体および可溶性リコンビナントTLN蛋白質によってラット海馬Schaffer側枝/CA1シナプスLTP形成が抑制されることを見い出し、TLNのシナプス可塑性への関与を示した。 (4)TLNの細胞内情報伝達機構の解析 酵母two-hybrid法によってTLN細胞内領域に特異的に結合する蛋白質を見い出した。現在その構造を解析中である。
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