研究課題/領域番号 |
09260202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
仲村 春和 東北大学, 加齡医学研究所, 教授 (90079690)
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研究分担者 |
荒木 功人 東北大学, 加齡医学研究所, 助手 (90281998)
舟橋 淳一 東北大学, 加齡医学研究所, 助手 (00270827)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 網膜視蓋投射 / Pax-5 / in ovo エレクトロポレーション / Fgf8 / Elf-1 / Otx2 / organizing |
研究概要 |
ニワトリの視覚の中枢は中脳視蓋であるが、的確な回路が形成されるためにまず視蓋としてのコンパートメントが決定され、その中での位置特異性が決定される必要がある。視蓋の後ろとしての位置特異性の形成にEn遺伝子が重要な役割を果たすことを示したが、本研究は視蓋発生においてEnを中心とした遺伝子発現制御のカスケードを明らかにする目的で行われた。 中脳後脳境界部から中脳胞後ろにかけて強く発現しているPax-5遺伝子のcDNAがクローニングされた。これを発現ベクターpMiwに組み込みin ovoエレクトロポレーションで視蓋原基から間脳胞まで異所的に発現させると、視蓋が前の方まで膨らみ、中脳部では至るところで小さな膨らみが見られた。Pax-5の発現部位でEn-2,Wnt-1遺伝子の発現が誘導された。興味深いことに視蓋の誘導に働くことが示されているFgf-8遺伝子の発現も誘導した。このことよりPax-5遺伝子は視蓋発生でかなり上位のヒエラルキーにある遺伝子だということができる。Fgf8とPax-5相互の関係を調べる目的で、Fgf8を異所的に発現させると、Pax-5が誘導された。また後の発生段階で視蓋後ろに限局して発現し、耳側網膜繊維を反発することによって視神経の標的選択に関与している分子Elf-1の発現もPax-5により誘導された。前脳から中脳後脳境界部まで発現しているOtx2の発現は抑制した。 これらの結果よりPax-5はその下流の遺伝子の発現を誘導することにより視蓋のorganizing centerで大きな役割を果たす遺伝子だということが示唆された。
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