研究課題/領域番号 |
09260206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
神谷 温之 群馬大学, 医学部, 講師 (10194979)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シナプス伝達 / カルシウムイオン / グルタミン酸 / 海馬 |
研究概要 |
イオンチャンネル共役型グルタミン酸受容体のうちAMPA型受容体は興奮性シナプス伝達に、NMDA型受容体はシナプス可塑性に必須な分子であることが明らかになったが、カイニン酸型受容体の機能については不明な点が多い。本研究では海馬スライス標本においてシナプス伝達とシナプス前終末内Ca^<2+>動態の電気生理的及び光学的同時計測を行い、CA1野シナプスでのシナプス前カイニン酸型受容体の作用機序について検討を行った。海馬スライス標本に低濃度(1μM)のカイニン酸を投与するとCA1野シナプスでのEPSPが可逆的に抑制された。このとき二発刺激による促通(paired-pulse facilitation;PPF)が増大したことから、カイニン酸の作用はシナプス前性の変化(伝達物質放出の減少)を伴うものと考えられた。さらに、このシナプス前カイニン酸受容体の作用機序を明らかにする目的でシナプス前終末内Ca^<2+>動態に対するカイニン酸の効果を調べた。スライス標本において入力線維層に蛍光Ca^<2+>指示薬のAM誘導体(rhod2-AMなど)を局所的に注入するとシナプス前部だけに選択的に蛍光Ca^<2+>指示薬を負荷することが可能である。このような標本において計測したシナプス前終末へのCa^<2+>流入を反映する蛍光強度変化もカイニン酸によりEPSPと同様の時間経過で抑制された。このときEPSPとCa^<2+>流入の抑制の程度は同様にシナプス性にシナプス伝達を抑制すると考えられる低Ca^<2+>液中で測定されたものとほぼ等しかった。このことからカイニン酸は主にシナプス前終末へのCa^<2+>流入を抑制することによりCA1野シナプス伝達を抑制するものと考えられた。
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