研究課題/領域番号 |
09260207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルシウム透過性 / AMPAレセプター / 細胞死 / Q / R部位 / GluR2 / アデノウイルス / lexP配列 / 海馬ニューロン |
研究概要 |
本研究では、ウイルスベクターを用いた遺伝子導入法を利用して、Ca^<2+>透過性AMPAレセプター(AMPAR)を神経細胞に過剰に発現させ、これが細胞死を促進するか否かを検討することを計画した。このために、AMPARのCa^<2+>透過性を決定するサブユニットであるGluR2のQ(グルタミン)/R(アルギニン)部位をRからQに置換したミュータント(GluR2Q)をアデノウイルスベクターに組み込むことを試みた。実験では、Cre組換え酵素発現アデノウイルス(AxCANCre)とGluR2Q発現用アデノウイルス(AxCALNLGluR2Q)を作製した。AxCALNLGluR2QにはCAGプロモーター、loxP配列、stuffer遺伝子、polyAシグナル第二のloxP配列、GluR2QcDNA、第二のpolyAシグナルを組み込んだ。AxCALNLGluR2QのHEK293細胞内での増殖過程では、stuffer遺伝子とpoly Aシグナルがプロモーターと目的遺伝子の間に介在するために目的タンパク質は発現しないが、AxCANCreとAxCALNLGluR2Qを共感染させると、Cre組換え酵素によりloxP配列に挟まれたstuffer遺伝子とpolyAシグナルの部分が切り落とされ、GluR2Qの発現が可能となる。PC12細胞をこれらのウイルスで共感染させたところ、全ての細胞で高いCa^<2+>透過性をもつAMPARを発現させることができた。次いでこの組換えアデノウイルスをラット培養海馬ニューロンに感染させ、本来Ca^<2+>透過性をもたないAMPARのみを発現する錐体ニューロンに、高効率にCa^<2+>透過性AMPARを発現させることができた。現在、ラットの海馬CA1野にこの組換えアデノウイルスを注入し、錐体ニューロンにCa^<2+>透過性AMPARを過剰に発現させ、その細胞死に対する影響を検討中である。
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