研究課題/領域番号 |
09260209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真鍋 俊也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70251212)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 海馬 / 長期抑圧 / 代謝型グルタミン酸受容体 / シナプス伝達 / カルシウム / 電気生理学 |
研究概要 |
海馬CA3領域苔状線維シナプスにおいて、持続した低頻度刺激(1Hz,15min)によりLTDが誘導できることを明らかにした。ここでのLTDは、LTPと同様、NMDA受容体のアンタゴニスト存在下でも誘導できることからNMDA受容体には依存しないが、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)のアンタゴニストMCPGにより抑制されることから、代謝型グルタミン酸受容体の活性化がその誘導に必須であることを報告した。さらに、苔状線維シナプスではシナプス前終末にのみ存在するmGluR2を欠損するマウスの海馬スライスでは、このLTDが著明に抑制されることから、持続した低頻度刺激によりシナプス前終末のmGluR2が活性化され、シナプス前性にLTDが誘導されると考えられた。ところが、この苔状線維シナプスLTDは、mGluRを活性化させるだけでは誘導できないことが判明し、それ以外の何らかの要素が必要であることが明らかになった。その第一の候補として、カルシウムチャネルを通ってシナプス前終末に流入するカルシウムイオンが挙げられるが、実際、カルシウムイオンの流入量を増大させる操作によりLTDが誘導できることがわかった。つまり、細胞外液のカルシウムイオン濃度を通常の2.5mMから5.0mMに15分間上昇させることにより、刺激頻度を変えなくても、LTDが誘導された。さらに、膜透過型のカルシウムキレート剤BAPTA-AMを灌流投与し、シナプス前終末のカルシウム濃度上昇をある程度抑制すると、LTDのの誘導が著しく抑制されることから、やはりシナプス前終末でのカルシウムイオン濃度上昇が苔状線維LTDの誘導に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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