研究課題/領域番号 |
09260217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
葛西 道生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40022595)
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研究分担者 |
田口 隆久 工業技術院, 大阪工業技術研究所・有機機能材料部, 室長 (10197246)
植田 淳子 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90252634)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | シナプス形成 / シナプス / 長期増強 / ニワトリ胚 / 神経突起伸長因子 / 神経軸索 / NMDA受容体 / AMPA受容体 |
研究概要 |
神経軸索の伸長とシナプス形成は神経回路網形成の最も重要な過程であり、我々はこの発生過程の現象とシナプスの可塑的変化の間に共通のメカニズムがあるものと考えている。そこで、本研究では、軸索伸長・シナプス形成・シナプスの可塑的変化における分子機構の解析を行った。 除神経後筋細胞から放出される神経突起伸長因子活性を有するタンパク質の遺伝子をクローニングしたところ新規な分子であったためneurocrescinと命名した。しかし、そのアミノ酸配列には既存のシグナル配列は存在しなかったが、この因子が細胞外に提示されることが、生理的に神経突起伸長を担うことの必然条件であるため、細胞外提示法の検討を行った。その結果、この因子は活動依存的にシナプス後細胞から放出され、その際には調節を受け、細胞内に存在する時より小さい形で細胞外に放出されることを示唆する結果を得た。 シナプス形成に関しては、昨年度に報告したサイレントシナプス形成のメカニズムを探究した。我々の培養系は胚齢等価日数(EEdays)に依存してシナプス形成が起こるが、EEdays11の神経細胞は機能的なAMPA受容体、NMDA受容体を細胞に発現しているにもかかわらず、機能的なNMDA受容体しかシナプス部位に持たないサイレントシナプスを形成することを、さらに成熟の進んだEEdays17の神経細胞では、NMDA受容体とAMPA受容体をともにもつシナプスを形成することを明らかにしていた。EEdays11と17の神経細胞に発現しているNMDA受容体の性質を比較したところ、平均コンダクタンスには差が無いが、開確率、平均開時間もしくはグルタミン酸に対する親和性が異なることが明らかになった。これらの性質とシナプスの成熟との関連を検討中である。
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