研究課題/領域番号 |
09260230
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
有賀 純 理化学研究所, 分子神経生物学研究室, 研究員 (10232076)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 小脳 / 神経発生 / 神経管翼板 / 遺伝子ターゲッティング / 行動異常 / 疾患モデル動物 / Zic / 転写因子 |
研究概要 |
Zicファミリーはマウスの小脳顆粒細胞系譜に強く限局して発現するZincフィンガー型転写因子をコードする遺伝子郡として見いだされた。我々は、これまでにZicファミリーがショウジョウバエのペアルール遺伝子odd-paired脊椎動物ホモログであること、ZicのZincフィンガードメインはSonic hedgehogの下流因子Gliと高い相同性を示し、Gliの標的配列に結合し得ることなどを明らかにしてきた。今回マウスの個体発生におけるZic1の役割を明らかにするために、Zic1遺伝子の遺伝子ターゲッティングを行った。Zic1欠損マウスでは小脳の低形成、小葉パターンの異常が認められ、Zic1は小脳を含めた神経管翼板由来の神経組織の発生に役割を持つことが明らかになった。Zic1欠損マウスにおいて観察された小脳虫部の形成不全、それに伴った行動異常という一連の症状はヒトのJoubert症候群のそれと類似しており、このマウスはヒトの遺伝性神経疾患のモデル動物となる可能性がある。また、今年度になって、ヘテロタキシ-という、内臓の左右非対称性が失われる遺伝性疾患がヒトZIC3の変異によって引き起こされることが明らかになった。更にツメガエル胚を用いた解析により、Zicファミリーは外胚葉を神経組織、ならびに、神経堤組織に分化させる最初期の運命決定因子の一つであることが明らかになってきた。今後、Zicを手がかりとして、前後軸、背腹軸、左右軸について決定された神経組織の部位特異性がどのように機能的神経回路形成に結びつくのかを検討する予定である。
|