研究課題/領域番号 |
09260233
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
渡辺 和忠 (財)東京都老人総合研究所, 実験生物学部門, 室長 (70114717)
|
研究分担者 |
細矢 博子 (財)東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 助手 (00158841)
武田 康生 (財)東京都老人総合研究所, 細胞認識部門, 研究員 (60245462)
|
研究期間 (年度) |
1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | コンタクチン / 免疫グロブリン・スーパーファミリー / NB-2 |
研究概要 |
コンタクチンはN末端側から免疫グロブリン様の繰り返し構造を6個、フィブロネクチン・タイプIII様の繰り返し配列を4個もち、膜にグリコシルフォスファチジル・イノシトールで神経細胞膜表面に結合し、神経とグリア、あるいは神経と細胞外マトリックスとの相互作用に必要な分子である。コンタクチンはグリア上の受容体型フォスファターゼRPTPβと相互作用する一方、神経内部にはCaspr分子を介して情報を伝える双方向性に機能する分子である。この分子は進化的に類似したTAG-1、BIG-1、BIG-2などとサブグループを形成しているおり、全て神経系でのみ発現が認められる。 私達は、このサブグループに属する新規の神経認識分子を単離し、NB-2、NB-3と名付けた。NB-2のmRNAは、ラットでは出生後6日付近が非常に強く発現し、胎児期、或いは成体になって以降の発現は弱かった。また、出生後7日の脳内では上オリーブ核、下丘、視床、大脳皮質、小脳などで強く発現していることがin situハイブリダイゼーション法により明らかになった。海馬では歯状回でのみ発現していた。NB-2と相互作用する分子を同定する目的で、大腸菌で組換え型NB-2蛋白質を大量調製し、ウサギに免疫して特異抗体を作製した。この抗体を用いてNB-2蛋白質が脳のどの領域で発現しているか、また、発現している細胞は何かを明らかにするために、免疫組織化学を行った。その結果、NB-2は神経細胞の樹状突起に局在しており、軸索での発現は認められなかった。このためNB-2はAxCAM(軸索に存在する接着分子の総称)とのヘテロフィリックな相互作用の可能性が考えられた。これまで、コンタクチン・サブグループはコンタクチン、TAG-1、BIG-1などすべて軸索にのみ局在しており、AxCAMと分類されていた。私達は既に代表的なAxCAMであるcontactin及びTAG-1の抗体を作製した。そこで、これら分子との相互作用について検討するために、組換え分泌型NB-2(NB2-His)および、アルカリフォスファターゼとの分泌型の融合蛋白質(AP-NB2)を作製した。また、別のグループに属するAxCAMであるNrCAMとの相互作用の可能性についても調べるため、ラットNrCAMのcDNAの単離、モノクローナル抗体の作製を行なった。これらを用いて、現在、NB-2との相互作用を検討を行っている。
|