研究課題/領域番号 |
09261101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
米澤 康滋 筑波技術短期大学, 情報処理学科, 助手 (40248753)
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研究分担者 |
藤原 悟 日本原子力研究所, 先端技術研究センター, 副主任研究員
新村 信雄 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, グループリーダー
油谷 克英 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (90089889)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 中性子結晶回析 / 蛋白結晶化 / 蛋白溶解度 / 相図 / ヒトリゾチーム / 熱安定性 / 中性子IP / 酵母発現 |
研究概要 |
ヒトリゾチームの野生型及び各種変異型を中性子結晶構造解析し、構造安定性に及ぼす水分子の影響を解明する事が研究目的である。中性子用IP(イメージングプレート)を装備した中性子回折計(BIX-II)は、既に原子力研究所新村等と協力して建設を完了し、その性能等を評価した。現在ヒトリゾチームの培養と精製を行い、中性子回折用の良質な大型単結晶の結晶化条件の決定と、その作成を遂行中である。 各種ヒトリゾチームを酵母の系で発現させ、精製した。この蛋白質で、バッチ法によって蛋白質溶解度の測定と結晶成長を観察し、解析することで結晶化条件決定を行った。バッチ法の実験条件として、温度と沈殿剤濃度及び初期蛋白過飽和度を設定している。温度設定は5度と15度及び25度の3条件、沈殿剤はNaClとした。初期NaCl濃度1wt%から12wt%の条件範囲で、蛋白過飽和度は3wt%から2wt%の間、でそれぞれ実施した。 バッチ法によるヒトリゾチーム野生型の、溶解度の計時変化が得られた。野生型は、沈殿剤NaClの場合、過飽和度2.8wt%で温度15度、NaCl濃度3wt%の時 良好な結晶成長を示すことが溶解速度と結晶成長観察から判明した。現在、温度条件とNaCl濃度を調整することでより精密な条件を決定中である。得られた最適条件で、中性子回折実験用の結晶作成を始めている。 変異型159Fについて、野生型と同様にバッチ法による溶解度測定と結晶成長観察を行い、結晶化条件を決定した。変異型159Fは、野生型よりも3倍から5倍ほども迅速で良好な結晶成長を、野生型とは大きく異なるNaCl濃度7wt%で、示すことが実験から明らかになった。最近159Fについて、中性子回折に十分な大きさの単結晶(2mm×1mm×0.7mm)を得たので、中性子回折実験で回折パターンを観察し、結晶の質を評価する予定である。変異型159Lと159T、V110Aの溶解度測定も進行中である。
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