研究課題/領域番号 |
09261209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
藤原 敏道 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20242381)
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研究分担者 |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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研究期間 (年度) |
1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | NMR / 変性 / リゾチーム / タンパク質 / 塩酸グアニジン / NH / プロテクションファクター / HD交換 |
研究概要 |
リゾチームはもっともよく研究されているタンパク質のひとつである。そのために、タンパク質のフォールデリングのメカニズムや安定性の研究が広く行われている。特に、構造の安定性を熱力学的に議論する場合には天然構造と共に変性構造を知る必要がある。円偏光二色性による研究から同じ変性状態でも温度変性とグアニジン変性では二次構造が異なることが示唆されていた。そこで本研究では、このような変性構造の違いをNMRを用いて明らかにするために、交換の遅いNHのNMRシグナルを定量的に解析することで卵白リゾチームの塩酸グアニジン変性状態について検討した。 実験では、卵白リゾチームと塩酸グアニジンを別々に重水素化する。次に、pHを調整した塩酸グアニジン重水溶液を作り、氷水で冷やしながら卵白リゾチームを溶かし試料とした。NMR測定はブルカ-DMX600を主に用いた。HD交換速度を測定するために、一定時間6Mグアニジン塩酸で変性させた。この後、急速に大量の重水を加えて塩酸グアニジンを透析で除き、シグナル分離がよくなる天然状態にして2次元NOESYスペクトルを測定した。 実験の結果、6M塩酸グアニジン中10℃では、リゾチームは変性しているのにかかわらずHD交換速度がきわめて遅いものがあった。そのうちで遅いNHの交換速度は、一次構造やpH、温度、変性剤濃度を考慮したランダムコイルでの交換速度に比べて約10倍遅かった。この遅い部位は、残基番号50,60,65と90近辺にあった。プロテクションファクターとしては、尿素、温度、酸変性より数倍大きい値になった。特にCDスペクトルが似ている尿素変性状態に比べると数倍近く大きいものが有った。グアニジン変性状態では完全にランダムではなくそれら残基の交換速度を遅くするような構造つまり、水分子が近づきにくいような構造を取っていると考えられた。
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